政府が進める経済成長には科学技術イノベーションの力が不可欠だ。政府は6月、2018−19年度の科学技術政策の基本方針「統合イノベーション戦略」を決定。そこで決まった方針を基に大学改革や省庁横断の研究計画の内容を固め、19年度の概算要求に臨む。政府の総合科学技術・イノベーション会議(議長=安倍晋三首相)の上山隆大議員と橋本和仁議員(物質・材料研究機構理事長)に長期ビジョンを聞いた。 上山氏、大学改革の資金支援 ―経済成長の原動力として大学の役割が重要です。 「世間で大学改革と言うと、大学を締め上げるイメージが強いが、本当は大学を支援したいと思っている。大学側からすれば、今は無理やり競争させられている状態。国から割り当てられる資金が少なく産学連携による民間からの資金調達などが求められているが、大学では資金を取りに行く動機付けが働きにくい」 ―基礎研究に回す資金が減れば、日本の研究力も低下します