社会的レリバンスの高い教育課程設計と 評価のあり方について 本田由紀(東京大学大学院教育学研究科教授) 1 資料1 日本の教育の問題点 2 義務教育段階から学力保障が形骸化、家庭が持つ諸資源の 多寡が子世代に直接的に影響、公立中高一貫制や高校学 区広域化・撤廃などの制度改変、「コミュニケーション能力」等 に基づく生徒間の「カースト化」 →「学力」と「生きる力」の両面で教育の格差化がいっそう進行 社会生活や将来の仕事に対する教育のレリバンスの希薄さ ・抽象的な記号操作能力に関する教育がいまだ支配的 ・職業教育機関の量的少なさ、地位の低さ ・精神主義的なキャリア教育はむしろ不安を拡大 全体として、「形式的平等」のもとに「学力」と「生きる力」の 「垂直的多様化」が進行しており、すべての者に「居場所と出 番」 を確保する「水平的多様化」にはなっていない。 3 日本の教育の現状 家庭の経済状況と子ど