タグ

ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (35)

  • システム開発に銀の弾丸はないが「金の弾丸」ならある『人が増えても速くならない』

    例えばソフトウェア開発において、 人が増えても納期が短くなるとは限らない 見積もりを求めるほどに絶望感が増す 納期をゴリ押すと、後から品質はリカバリできない これを見て、「だよねー」「あるあるw」という人は、書を読む必要はない。 プログラミングは人海戦術で何とかならないし、「厳密に見積もれ」というプレッシャーは見積額を底上げするし、納期が優先されて切り捨てられた品質は、技術的負債として残り続ける。経験豊富なエンジニアなら、大なり小なり、酷い目に遭ってきただろうから。 だが、これらを理解できない人がいる。 要員を追加して、手分けしてやれば一気に片付くはず 厳密にやれば、見積りバッファーはゼロにできる 品質のことはリリース後にじっくりやればいい ……などと気で考えている。これは、ソフトウェア開発とはどういうものか、特性を知らないからだ。こんな無知な人間が経営層にいたり、顧客の代表となった場

    システム開発に銀の弾丸はないが「金の弾丸」ならある『人が増えても速くならない』
    hihi01
    hihi01 2023/06/11
    とてもわかります。
  • ファンタジーの最高傑作『氷と炎の歌』

    夢中にさせて寝かせてくれず、ドキドキハラハラ手に汗握らせ、呼吸を忘れるほど爆笑させ、ページを繰るのが怖いほど緊張感MAXにさせ、いしばった歯から血の味がするぐらい怒りを煽り、思い出すたびに胸が詰まり涙を流させ、叫びながらガッツポーズのために立ち上がるほどスカッとさせ、驚きのあまり手からが転げ落ちるような傑作がこれだ。 この世でいちばん面白い小説は『モンテ・クリスト伯』で確定だが、この世でいちばん面白いファンタジーは『氷と炎の歌』になる。 書いた人は、ジョージ・R・R・マーティン。稀代のSF作家であり、売れっ子のテレビプロデューサー&脚家であり、名作アンソロジーを編む優れた編集者でもある。 短篇・長編ともに、恐ろしくリーダビリティが高く、主な文学賞だけでも、世界幻想文学大賞(1989)、ヒューゴー賞(1975、1980)、ネビュラ賞(1980、1986)、ローカス賞(1976、1978

    ファンタジーの最高傑作『氷と炎の歌』
    hihi01
    hihi01 2022/11/20
    ゲームオフスローンズご覧になっていらっしゃらない方がいるのでしょうか?
  • 「お金」というテーマで本を選んだ

    お金」という言葉から、あなたは何を連想するだろうか? 生活費? 給料? 投資? 経済? それとも「お金」で買えるさまざまなモノから、お金では買えない何かを思い浮かべるだろうか。お金を強奪したり騙しとる犯罪や、お金によって狂わされる人生、富や成功を想像するだろうか。 ここでは、「お金」がテーマの読書会で集まったを紹介する。お薦めをもちよって、まったり熱く語り合う「スゴオフ」という読書会だ。毎度毎度、すごいがざくざくと見つかる宝の山なり。「それは知らなかった!」という驚きの傑作から、「そのテーマでこのにつなげるのか!」という発想の妙まで、何度叫んだことやら(詳しくは[スゴオフ]をチェック)。 懐かしいもの、知らないもの、意外なもの、様々なに出会うことを請合う。 お金持ち お金といえば「お金持ち」。お金持ちといえば、9兆円にものぼる資産を持つ世界最大の投資家ウォーレン・バフェット

    「お金」というテーマで本を選んだ
    hihi01
    hihi01 2020/05/14
    “世界恐慌からソ連崩壊後の不況、アジア通貨危機さらにサブプライム危機まで様々な不況を分析するのだがその切り口が斬新だ。普通ならGDPやマネーサプライといった指標値を思いつくが、本書はなんと「死亡率」!”
  • 健康ディストピア

    「健康は義務です、不健康は犯罪です」とアナウンスしながらドローンが行き交い、市民の健康係数を測定する。サーモグラフィで自動測定し、体温が高いと「風邪で休まないのは犯罪です」と勧告する。 健康係数が良いなら、健常者と判定され、執行対象にはならない。 しかし、規定値を下回ると、潜在的な不健康者として判定され、様々な制限が加えられる。事制限や運動が義務化され、タバコ等の嗜好品が限定されたり、保険金の割引オプションが利かなくなる。 さらに悪くなると、当人の健康状態が周囲への悪影響を及ぼす潜在感染犯と判断され、執行対象となる。マスクと手袋の着用が強制され、守らない場合は捕縛され、厚生施設でセラピーが施される…… ……という物語を思い浮かべたのは、御田寺圭さんの「コロナ後の世界」に忍び寄る「健康・健全ディストピア」を読んだから。コロナ禍の先、社会保障や医療リソースが制限され、健康であることがルール化

    健康ディストピア
    hihi01
    hihi01 2020/05/14
    すごいな、さすがだな。これだよ、今の時代に読まなきゃいけないのは。
  • 嫁と「ひぐらし」

    かれこれ2週間以上、昭和58年6月の雛見沢から出られない。 発端は嫁さん。 レンタル屋であるDVDを掲げて、「コレ借りてもいい…?」と上目づかいに訊いてくる。その視線に弱いことを知った上で使う。ちなみに嫁さん、アニメは"からきし"なんだが、ムシの知らせか何かで、大当たりを引いてくる(前回は「鋼の錬金術師」だった)。 まなめ先生のおかげで、ネタバレを回避しつつ陰惨な話だと知ってはいたので、それとなく警告する。「うんいいよ」と二つ返事。「娘を混ぜちゃうような話じゃないだろうし」――ええ、確かにダークファンタジーではないのですががが。 早めに子どもを寝かせ、いそいそと酒宴の準備をする(明日は休みだ♪仕事もない)。そういや、嫁さんとアニメなんて久しぶりだよな、というか一緒に「二人だけで」何かを観ることそのものが久しぶりだよなーとトキメキながら、電源ON→DVDオン→再生オン……………………… ……

    嫁と「ひぐらし」
    hihi01
    hihi01 2019/10/07
    そろそろ見てみようかな。
  • この本がスゴい!2018: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    まとめ すごく長くなったので、まとめる。まず、今年のベスト。 このがスゴい!2018のラインナップ。 このがスゴい!2018の一覧は以下の通り。 ◆フィクション 『ランドスケープと夏の定理』高島雄哉(東京創元社) 『舞踏会へ向かう三人の農夫』リチャード・パワーズ(河出書房新社) 『寿司 虚空編』小林銅蟲(三才ブックス) 『直線』ディック・フランシス(ハヤカワ文庫) 『ブッチャーズ・クロッシング』ジョン・ウィリアムズ(作品社) 『槿』古井由吉(講談社文芸文庫) 『平家物語』古川日出男(河出書房新社) ◆ノンフィクション 『知の果てへの旅』マーカス デュ・ソートイ(新潮クレスト・ブックス) 『愛とか正義とか』平尾昌宏(萌書房) 『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』吉川浩満(河出書房新社) 『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』ふろむだ(ダイヤモンド社) 『文学

    この本がスゴい!2018: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
    hihi01
    hihi01 2018/12/01
    ふろむださん、無事入賞。
  • 『神は数学者か』はスゴ本

    九九の9の段を眺めていて、ささやかな「発見」をしたことがある。一の位と十の位の数を足すと9になる。九九に限らず、9の倍数の各桁の数の合計は、必ず9になるのだ。 9,18,27,36,45,54,63,72,81,90,99,108,…… 気づいたときには驚いたが、何のことはない。 「9の倍数」とは、「9を加えた数」のこと。そして「9を加える」ことは、「10を加えて1を引く」、つまり「上の桁の数に1を加え、元の桁の数から1を引く」操作にほかならない。元の数が9から始まるから、「上の桁の数に1を加え、元の桁の数から1を引く」操作を繰り返しても各桁の合計は「9+1-1」になる。これは、9という数が、桁上がりする一つ手前の数という性質を持つから。2進数なら1、16進数ならF、n進数ならn-1に割り当てられた数が相当する。 一方、たまたま数え方が10進数だから、9の性質がそうなっているとも言える。な

    『神は数学者か』はスゴ本
    hihi01
    hihi01 2017/11/18
    この本読んだ。本当にスゴ本だった。 http://hpo.hatenablog.com/entry/2017/einstein
  • 『土木と文明』はスゴ本

    土木から見た人類史。めちゃくちゃ面白い。 土木工学とその影響という切り口で世界史を概観する。テーマは、都市、道路、橋、堤防、上下水道、港湾、鉄道などに渡り、テーマごとに豊富な事例で紹介する。土木技術の発展なしには文明も発達せず、また文明の発展につれて土木技術も発達してきた。そうした土木工学と文明の関わりを歴史的に串刺しで見ることができる。 大きなものから小さなものまで、人が手がけてきた土木事業は、それこそ星の数ほどある。それをどうやって整理するか。書は、そのとき直面した問題(治水、防衛、流通、疫病対策等)と、利用できるリソース(人・技術・時間)、そして成し遂げられた結果(土木事業)という観点で整理しているのが素晴らしい。 面白いことに、問題と対策という視点で眺めると、時代や地域を超えた普遍性が現れてくる。異なる時代・地域の人々が、それぞれに知恵を絞り、そのときに手に入るリソースを駆使した

    『土木と文明』はスゴ本
    hihi01
    hihi01 2017/09/01
    四千年前の土木技術を目の当たりにした今、土木がどれだけ文明そのものから実感できる。Civil Engineer(文明技術)とは伊達でない。http://hpo.hatenablog.com/entry/2017/08/29/170419
  • 最近の老人はキレやすい『高齢初犯』

    最初に結論を。高齢者の犯罪が増えている。おとなしい若者の代わりに、キレやすくなっているのは老人である。「年寄り笑うないつか行く道」は一般論で、"ある世代"は例外になる。 むろん、高齢化社会だから、老人犯罪が増えるのはあたりまえ。しかし、犯罪件数ではなく、人口比から見ても上昇が著しい。平成25年版犯罪白書[4.1高齢者犯罪の動向]によると、高齢者の検挙人員の人口比は、他の年齢層と比べて上昇が著しく、平成5年の約3倍となっている。つまり、罪を犯しやすい世代が、最近の老人なのだ。 6年前、[なぜ最近の老人はキレやすいのか?]というテーマで調べてまとめたのだが、しょせん素人仕事、きちんとした数字に裏打ちされた結果が得られなかった。だが、「キレる老人」は、私の個人的な印象ではなかった。「キレる老人」を統計化したのが平成25年版の犯罪白書であり、様々なインタビューでまとめたのが『高齢初犯』になる。

    最近の老人はキレやすい『高齢初犯』
    hihi01
    hihi01 2014/10/14
    “即ち、環境云々は後付けのリクツであり、キレやすい世代が老人となったのが、真の原因だ。”
  • 『殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?』はスゴ本

    経済学から人類を定義した一冊。 人間の質は、協力だ。しかし、その協力は脆弱な信頼の上に乗っかっている。引っ込み思案の殺人ザルからここまで文明を発展させた一万年は、たまたま上手くいった実験に過ぎない―――という主張を、進化生物学、人類学、心理学、社会学、歴史学を渉猟しつつ展開する。進化人類学から人類を定義したスゴ『人類はどこから来てどこへ行くのか』(E.O.ウィルソン)をも包括した試みで、野心的で、大風呂敷で、節操ない一冊とも言える。 書を面白くしているのは、人類が構築してきた社会システムをリバースエンジニアリングしているところ。お金から市場、都市や国家、財産権から戦争など、人類を人類たらしめる事象や制度を、動作原理まで遡及・分解した上で、その力の源泉を「協力と信頼」から再説明する。 たとえば、わたしが買うシャツは、わたしが知りもしない他人が作り、海を越え年を越えて届けられたものだ。ひ

    『殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?』はスゴ本
    hihi01
    hihi01 2014/06/06
    「殺人ザル」も「貧乏人の経済学」も山形浩生さんの翻訳というのがしぶい。http://hpo.hatenablog.com/entry/20140202/1391374350
  • 『ゲーデル、エッシャー、バッハ』はスゴ本

    一生モノの一冊。 「スゴ=すごい」の何が凄いのかというと、読んだ目が変わってしまうところ。つまり、読前と読後で世界が変わってしまうほどのこそが、スゴになる。もちろん世界は変わっちゃいない、それを眺めるわたしが、まるで異なる自分になっていることに気づかされるのだ。 『GEB(Godel, Escher, Bach)』は、天才が知を徹底的に遊んだスゴ。不完全性定理のゲーデル、騙し絵のエッシャー、音楽の父バッハの業績を"自己言及"のキーワードとメタファーで縫い合わせ、数学、アート、音楽、禅、人工知能、認知科学、言語学、分子生物学を横断しつつ、科学と哲学と芸術のエンターテイメントに昇華させている。 ざっくりまとめてしまうと、書のエッセンスは、エッシャーの『描く手』に現れる。右手が左手を、左手が右手を描いている絵だ。「手」の次元で見たとき、どちらが描く方で、どちらが描かれている方なのか、

    『ゲーデル、エッシャー、バッハ』はスゴ本
    hihi01
    hihi01 2014/05/12
    確かに一生ものの本だな。ホフスタッターには影響を受けた。 http://hpo.hatenablog.com/entry/20050713/p1
  • 『死の棘』はスゴ本

    読んだら後悔する劇薬小説。特に独身男性は読んではいけない。既婚男は、相手を見る眼が変わる。夫婦の嫌らしいところ、生々しいところ、エグいところ、おぞましい所を、徹底的に暴き立て、拡大し、突付けてくるから。 そりゃ、夫の不倫に発狂するの話だから、特殊かもしれぬ。ほとんどの夫婦は、これほど罵り合い、争い合い、狂い合うこともなかろう。だが、この結婚の極北は、あらゆる夫婦の最も醜悪な部分を追体験させてくれる。多かれ少なかれ、どの夫婦も、この夫婦を孕んでいる。この狂気は、覆われていたり、滲み出てたり、ひり出される。温度差ともかく、既婚者は、体感レベルでこの恐怖を感じるべし。 夫である「私」は、の錯乱にとりみだし、便乗して自分もおかしくなってゆく。追い詰められ、無条件降伏し、それでも責め続けられ、嫌悪でからだが凍り付き、自己が粉微塵にされる。家を飛び出し、大声で叫び、己の首を絞めようとする。ただしこ

    『死の棘』はスゴ本
    hihi01
    hihi01 2013/05/17
    あれ?どっかで死の棘について書いた気がするけど、出てこない。もう一度正面から向き合うべきなのかもしれない。
  • この本がスゴい!2012

    人生は短く、読むは多い。せめてスゴいと出会えるよう、それを読んでる「あなた」を探す―――このブログの究極目的だ。ともすると似たばかり淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」とオススメしてくれる「あなた」は、とても貴重な存在だ。 ネットで呟いたり、オフ会で発表したり、集団でブックハントに勤しんだり。バーチャル・リアルを問わず、そんな「あなた」同士の交流の場で、加速度的にスゴいに会ってきた。中でもここ一年で読んできたものから、選りすぐりを並べてみた。 実は、ここは既読のご紹介の場なので、氷山一角だ。だから、一番アツいfacebook「スゴオフ」を覗いてみてほしい。読まずに死ねるか級がざくざくあるデ。 昨年までの探索結果は、以下の通り。 このがスゴい!2011 このがスゴい!2010 このがスゴい!2009 このがスゴい!2008 このがスゴい!2007 このがスゴい

    この本がスゴい!2012
    hihi01
    hihi01 2012/12/05
    スゴ本、ほんとスゴ本。
  • 「薔薇の名前」はスゴ本

    推理小説の皮を被った衒学迷宮。 中世の修道院の連続殺人事件の話という入口から、知の宝庫(だけど大迷宮)へ誘われる、これぞスゴ。 二十年前と一緒だった、知恵熱で寝込んだ。というのも、ただ物語を追うだけでなく、自分の既読を強制して引き出させられる体験が強烈だったから。 「読む」というのは目の前の一冊に対する単独の行為ではない。台詞や描写やモチーフ通じて、関連するや自分の記憶を掘り出しては照射しながら、くんずほぐれつ再構成する、一種の格闘なのだ。ひっくり返すと、あらゆるにはネタ元がある。「読む」とは、ネタ元を探しては裏切られながら、『再発見』する行為なのだ。 ヨハネの黙示録の引用に始まり、ヴィトゲンシュタインの論理哲学考の模倣で終わる書は、縦横無尽の借用、置換、暗示、物真似で綴られており、科学・文学・哲学の壮大なパッチワークを見ているようだ。 だいたい、探偵役が「バスカヴィルのウィリアム

    「薔薇の名前」はスゴ本
    hihi01
    hihi01 2012/09/25
    そういえば、自分も知恵熱出した記憶がある。
  • 「アンナ・カレーニナ」読むと結婚が捗るぞ

    人生を滅ぼした女から、何を学ぶか。 「女とは愛すべき存在であって、理解するためにあるものではない」といったのはオスカー・ワイルド。これは、夫婦喧嘩という名のサンドバック状態になってるとき、かならず頭をよぎる。 結論から言う。論理的に分かろうとした時点で負け、相手の感情に寄り添えるならば、まだソフトランディングの余地はある。 しかし、夫と不倫相手は、そこが分かっていなかった。体裁を繕うことに全力を費やしたり、売り言葉に買い言葉で応じたり。優越感ゲームや記憶の改変、詭弁術の駆け引きは目を覆いたくなるが、それはわたしの結婚でもくり返されてきたことの醜い拡大図なのだ。 投げつけあう「あなたの言っていることが分からない」の応酬は、「どうせ分かってるくせになぜそういう態度をとるの?」の裏返しだ。大いに身に覚えがあるわたしには、ヴロンスキー(不倫相手)の利己的な愛の吐露が身に染みる。 「じゃあ言ってくれ

    「アンナ・カレーニナ」読むと結婚が捗るぞ
    hihi01
    hihi01 2012/08/01
    そっか、自己愛が「支配する愛」なんだ。 http://d.hatena.ne.jp/hihi01/20090622/1245668599
  • 「貧乏人の経済学」はスゴ本

    経済学者≒ソフィスト」と冷やかに観察しているが、書は例外。 なぜなら、後知恵の机上論を分かりよいストーリーに押し込んで一丁あがりにしないから。あらゆる問題を一般原理に還元し、紋切型に落とし込む発想を拒絶するから。解決策はランダム化対照試行(RCT:random control test)によって検証済のものだから。 紋切型の経済学者が唱える「銀の弾丸」はないものの、「こんな状況下でこういう対策を打つと、確かに効果が期待できる」といったシナリオは描ける。面白いことに、そのシナリオを支える理屈は、「いま」「ここ」にも適用できるセオリーであるところ。わたしが貧困の罠に陥っていない理由は、わたし個人の努力よりも、社会システムに依拠しているものが大であることが分かる。見えるもの(社会保険、公衆衛生、教育システム)だけでなく、そこからくる見えないもの(安心、安全)に二重三重に保護された「わたし」が

    「貧乏人の経済学」はスゴ本
    hihi01
    hihi01 2012/06/11
    後で読む。
  • 本好きが選んだ新潮文庫の160冊

    好きなを持ち寄って、まったりアツく語り合うスゴオフ。今回のテーマは「新潮文庫」。ジャンル不問・冊数未定でありながら、やってみるとむつかしい。 なぜと問うなら、自分の書棚と脳裏を浚ってみるといい。文芸、海外歴史、冒険、SF、純文、対談、ミステリー、ファンタジー、ドキュメンタリー、エッセイ、記憶から積山から、懐かしの一冊から流行りの新刊まで、いくらでも出てくるから。ありすぎて選べないのだ。 それでもムリヤリ選んだのが、「この新潮文庫がスゴい!(徹夜小説編)」。これは「新潮文庫」+「寝忘れる徹夜」という組み合わせで厳選したもの。そして、人力検索はてなで質問したのが、「『この新潮文庫がスゴい!』という、あなたのオススメを教えてください」になる。わたしの偏見「理系のはてな」を跳ね返す文理入り乱れの怒涛のラインナップが揃った。 そして、実際にみんなで語り合ったのがスゴオフ。新潮文庫の良さ(

    本好きが選んだ新潮文庫の160冊
    hihi01
    hihi01 2012/03/21
    すばらしい。
  • この新潮文庫がスゴい!(徹夜小説編)

    「マイベスト新潮文庫」を探すべく、書棚と脳裏を漁るのだが……出るわ出るわ、記憶からも積山からも怒濤のごとく、文芸、海外歴史、冒険、ミステリ、ファンタジー、ドキュメンタリー、エッセイ……ありすぎて選べない。 だから、も一つ「しばり」を設ける。それは「徹夜小説」であること。ひたすら面白く、寝を忘れて読みふけった鉄板を挙げる。くれぐれも、明日がお休みの夜を見計らって手にしてほしい。 ■「シャンタラム」 グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツ 未読なら、おめでとう。「これより面白いのがあったら教えてくれ」という傑作だから。憑かれたように読みふけり、時を忘れる夢中だ。(わたしは4回乗り過ごし、2度事を忘れ、1晩完徹した)。巻措く能わぬ程度じゃなく、手に張り付いて離れない。とにかく先が気になって気になって仕方がない。前知識は邪魔、完全に身を任せて、物語にダイブせよ。 とはいうものの、蛇足気味に補足

    この新潮文庫がスゴい!(徹夜小説編)
    hihi01
    hihi01 2012/03/05
    「峠」だけは、4回繰り返し読んできた。」 僕もこれだけは繰り返し、繰り返し呼んできた。
  • スゴ本オフ@新潮文庫のお誘い(3/16開催)

    好きなをもちよって、まったりアツく語り合うスゴオフ。「マイベスト新潮文庫」で開催するよ。 今回はちょっと変わっていて、どんなジャンルでもOK。しばりはただ一つ、「新潮文庫」であること。小説から論説、ミステリからインテリ、ロマンスからサイエンスまで、実にさまざまの作品が、安くて手軽なフォーマットで読める。そんな中で、あなたの「この新潮文庫がスゴい!」を語って欲しい。「新潮文庫の100冊」から選んでもよし、渾身のマイベストを発表してもよし。新潮文庫の中の人も呼んでいるので、隠れたオススメが聞けるかも。 時間  2012年3月16日(金) 18:30~22:30 確定しました 場所  恵比寿 会費  2000円 オススメばかりでなく、みんなでべたい・飲みたい・ご馳走したい料理やらツマミやらお酒やらデザートをもってきて、ワイワイやりますぞ。手土産買ってきた!という方はレシートを忘れずに(清

    スゴ本オフ@新潮文庫のお誘い(3/16開催)
    hihi01
    hihi01 2012/03/02
    16日かぁ、ちょうどイベントが重なってる。
  • 嘘と統計を見抜けないと、経済は難しい「クルーグマン教授の経済入門」

    説明のための、道具としての経済を学ぶシリーズ。 日経新聞中毒症だったこともあり、経済は避けたい話題だった。なぜなら、嘘と統計の区別がつかないから。詐欺師と経済学者の区別がつかないから。その場のレトリックや明快さに騙されて、嘘に気づくのえらい年月を要するから。 日米貿易摩擦は"大問題"だったし、ユーロの"脅威"が取りざたされてた。自由化と規制緩和こそが"経済活性化の鍵"と言われてた。うすうす胡散臭さは感じてたものの、「なぜ」なのかを考えていなかった。新聞からはデータではなく、主張を読み取っていたから。とがった感情論や、借りてきたナショナリズムを振り回すことが「経済について議論する」ことだと取り違えていたから。 そうした思い込みを払い落とし、現象を解説する「経済学の使い方」が分かる。経済にとって当に重要な問題は、「生産性」「所得分配」「失業」の3つだという。この観点から、巷を騒がす財政赤字や

    嘘と統計を見抜けないと、経済は難しい「クルーグマン教授の経済入門」
    hihi01
    hihi01 2012/02/20
    「ラストの番外編「日本がはまった罠」(略)最初に結論があって、そちらへ向かって数式を練っているような印象を受けたので、再読三読する。」 同じ印象を持った。