-知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 日本知財学界第6回年次学術研究発表会 日本弁理士会協賛セッション「進歩性の判断は如何にあるべきか」(2008年6月28日発表)は、米国の進歩性判断を巡る議論・運用を手がかりに、日本の判例を丁寧に分析し、望ましい進歩性判断のあり方を提言するものであった。(ただし、弁理士として望ましい、という側面もあるような…。いずれにせよ期著な研究である。) 以下、その概要を備忘のために整理する。なお、恥ずかしながら、理解の誤りがありうることをあらかじめ明示しておく。 ■日米の判断基準の相違と、日本における実務感覚を手がかりにした、日本の進歩性判断の課題 報告によると、判例の分析結果として、日米の判断基準は大きく相違する