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ブックマーク / chiteki-yuurei.seesaa.net (42)

  • [著作権][時事]まねきTV事件最高裁判決のロジックを読み解く...試み: 「知」的ユウレイ屋敷

    テレビ放送の転送サービスや楽曲のオンラインストレージサービスについては、複数の下級審例があった。例えば、選録見撮事件やMYUTA事件、そしてロクラク事件、まねきTV事件である。 とくに最後のまねきTV事件は、テレビ放送された番組を録画し特定の者に送信する機器を預かり管理するビジネスに対して、知的財産高等裁判所はその形態を詳細に検討した上で著作権侵害を否定したことから、さまざまな注目を浴びてきた。まねきTVのポイントは、1つの機器から1人のユーザーにしか送信を行わないところにあった。私的複製として反論できるように工夫されていた。 しかし、昨日(2010年1月18日)に下された同事件上告審の判決では、最高裁判所は原審の判断に不足があると認定し、審理を差し戻したようである。ここでは簡単にそのロジックを読み解いてみたい(そして、どうも私には自信が無いという微妙な雰囲気を感じ取っていただき、諸兄・姉

  • [時事]著作権法とネマワシ: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 著作権法がビジネスにおいても重要度を増すと平行して、創作者間、創作者ー頒布者間、頒布者間それぞれで利害対立が先鋭化している(注1)。同時に、創作活動に資する道具が増加し、多数のクリエーターが登場し、「一億層クリエーター」化が進んでいる。さらに、情報のデジタル化が進み、侵害行為とその発見双方が容易になっている。 このような変化がある中で、制度を設けたり、変更する場合に関係者の利害調整は大変だと思う。現実に利害調整を行っているのは、我が国では間違いなく霞ヶ関だが、いわゆる脱藩官僚による霞ヶ関回想を読んでいると、業界の利害調整に慣れていない省庁もあるようだ。 おそらく文化庁もそのような省庁の一つであると思う

  • [著作権]国際条約を破る自由: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 中山信弘=三山裕三「対談 デジタルネット時代における著作権のあり方(上)(下)」NBL898号(2009年)20頁-26頁、NBL890号(2009年)48頁-54頁読書メモ 中山名誉教授と三山弁護士の対談に興味深い話題が触れられている。要旨は以下の通り(なお、要旨は筆者の責任でまとめた)(注1)。 国際条約を遵守しなかったとしても、WTOへの提訴を経てリタリエーションを行われることになるが、国益に叶うのであれば遵守しないことも選択肢である。著作権制度において、条約の文言に沿うことに神経質になり、情報流通を阻害するとすれば、それは国益にそぐわない(注2)。 私はこの指摘に賛成する。 では、仮に著作権制度

  • [著作権]フェアユース規定導入のメリット再考: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 先日、情報通信政策フォーラムの研究会に参加して話を聞いてきた。中山信弘先生が著作権のフェアユース規定導入の意味についてお話をされており、いくつか考えるところがあった。 なお、以下に中山先生のお話として記述している箇所があるが、私の理解の誤りもあるかもしれない。会場には様々な方がいらっしゃったので、参加されていた方も部ログをご覧になっている可能性もある。誤りがあればお教えいただければ幸いである。 ■ベンチャーの保護につながるのか? 私はブログの「[著作権]フェアユース規定導入に対する私の理解」(2008年09月16日)で述べたように、既存の企業にとってはフェアユースが認められなかったときのサンクション

    himagine_no9
    himagine_no9 2008/10/13
    現行規定で既に利益衡量が図られていると考える立場と、そうでない立場があり得ると思うが。そもそも個別規定で現状に対応できていないからこそフェアユース導入論が出てくるのであって。
  • [著作権]フェアユース規定の導入の仕方と影響を考える: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 前回、行路さんに頂いたトラックバックに刺激されて、私なりのフェアユース規定導入への理解を整理した。ここでは、フェアユース規定導入の仕方と、その影響を考えたい。 ■どのような規定ぶりが望ましいか さて、それでは、行路さんの同記事の問題提起に従って、規定ぶりについて稚拙ながら検討を行ってみる。 上野教授が以前から主張されていたような、49条の2として個別規定の受け皿として設けるやり方については、個別規定との関係が明示されず、罰則規定との関係で法制審を通りにくいとの指摘がなされている。 興味深い指摘で、立法側の懸念点が明示されている指摘である。大変勉強になる。 とはいえ、現状の個別規定の法的安定性のメリットを

  • [著作権]フェアユース規定導入に対する私の理解: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 最近、立法に携わる立場から著作権法について精緻な分析をなさっている行路さんからトラックバックを頂いていた(反応が遅れて恐縮です>行路さん)。 行路さんからは以下のご指摘をいただいた。 (「知」的ユウレイ屋敷さんは、むしろ罰則が広すぎることに伴うデメリットを解消する観点からファアユースを、という議論を立てているようだが、この主張などは、知財部のような権利制限規定の一種としてフェアユースを考えるようなものより、私のように救済規定の中の一種としてフェアユースを考える方向に親和的だろう……と勝手に考えみたりもする。違っていたらすいません。) 「フェアユース後、役所の仕事はなくなる?2」『下級役人のつぶやき』

    himagine_no9
    himagine_no9 2008/09/17
    フェアユースについて、民事/刑事とか権利制限/救済とか、一方に限定して論じる意義が今ひとつ見出せない。これらの分類って多分に裏腹なところがあるように思うのだが。
  • [著作権]速報的ブログ記事の著作物性: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 知財高判平成20年7月17日(判例集未搭載)平成20年(ネ)第10009号では、裁判記録のブログ記事の著作物性が否定された。(1)創作性判断のおもしろさを表す事例と考えられる、(2)著作権と情報の利用の調整を図る手法として興味深い点を含んでいる、ことから面白い事案である。 ■事実の概要 詳しい事実はヨミウリオンラインの以下の記事が参考になる。 裁判傍聴記「創作性なし、著作物と認めず」…知財高裁判決 ライブドア事件の公判を傍聴して、証言の概要をインターネットで公開した男性が、「他人のブログに無断で転載され、著作権を侵害された」として、ブログを管理する「ヤフー」を相手取り、プロバイダー責任法に基づき、発信者

  • [特許]進歩性についての日本弁理士会の研究成果: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 日知財学界第6回年次学術研究発表会 日弁理士会協賛セッション「進歩性の判断は如何にあるべきか」(2008年6月28日発表)は、米国の進歩性判断を巡る議論・運用を手がかりに、日の判例を丁寧に分析し、望ましい進歩性判断のあり方を提言するものであった。(ただし、弁理士として望ましい、という側面もあるような…。いずれにせよ期著な研究である。) 以下、その概要を備忘のために整理する。なお、恥ずかしながら、理解の誤りがありうることをあらかじめ明示しておく。 ■日米の判断基準の相違と、日における実務感覚を手がかりにした、日の進歩性判断の課題 報告によると、判例の分析結果として、日米の判断基準は大きく相違する

  • [知財の本]書評:山崎茂雄ほか『デジタル時代の知的資産マネジメント』(白桃書房、2008年): 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 今年も知的財産に関するが多数出版されている。良書も多く、追いつくだけで大変である。気分転換がてら、知的資産に関する薄めのを買ってみた。 残念ながら、私にとって新しい発見となる点や、頭の整理につながる点が限られているであったが、それはそれとして意義のある情報発信かもしれないのでここにまとめる。 なお、書は6人の著書がそれぞれの章を執筆しているが、統一したテーマを膨らませている内容とはいえなかったので、それぞれの章を論文と見なして書評を書いた。 ■興味深かった点:デジタル化と非営利組織 山崎茂雄「知的資産マネジメントのファイナンス論」、立岡浩「欧州諸国における映像コンテンツ公共非営利事業のマネジメン

  • [著作権]著作権法学会2008年研究大会を通じての示唆2:フェアユース規定の導入か、あるいは立法での対処か?: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 前回に続き、今回は、フェアユース規定の導入の可否について、研究大会での示唆を紹介し、考察する。 ■フェアユース規定は導入することが望ましいか 権利制限規定を類推解釈しても、対処しようの無い、許容すべき利用形態もあるかもしれない。それに備えてフェアユース規定を導入するべきであろうか。 □研究会で得られた示唆 導入をするべきとの見解が複数見られた。その根拠としては、社会変化への柔軟な対応を挙げるものが多いようであるが、欧州の教訓を挙げる意見もあった。具体的には、EUの情報社会指令(2001/29/EC)は、権利制限規定を列挙し、加盟各国がこれ以外の権利制限を設けることを許容していない。その結果、欧州では、技

  • [著作権]飯村敏明「著作権侵害訴訟における権利制限規定の意義について」報告受講メモ: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 飯村判事の報告は、裁判所(正確には飯村コート)の思いが伝わる、興味深いものであった。ここに概要をまとめ、若干の考察を行う。ただし、筆者が誤って理解している可能性があることを留意いただき、正確な内容は『著作権研究』(2010年刊)に依っていただきたい。 ■報告要旨 要旨は、報告の主眼と思われる点が強調されるよう、筆者において再構成している。 構成においても筆者の解釈が含まれている点については留意いただきたい。 著作権と一般人の行動の自由との衝突が多発するようになっている。これまでは、立法の強化が進み、また、人々の法意識が著作権を重視するようになってきたことから窺えるように、著作権を保護する方向で作用して

  • [商標]商品形状が使用により自他識別力を有するとして立体商標としての登録が認められた事例(コカコーラ事件): 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる立体標章につき、長年の使用および大規模な広報により自他識別を有したとの判断がなされ、登録を拒絶した特許庁の審決を取り消す判断が知財高裁によって下された。立体商標についての商標法3条2項の判断が下された例は〔ひよこ立体商標事件〕(知財高判平成18年11月29日)、〔ミニマグライト事件〕(知財高判平成19年6月27日)に引き続くものである。その判断基準はこれまでと変わるところでなく、裁判所の傾向がより鮮明になったと言えるだろう。 知財高判平成20年5月29日(判例集未搭載)平成19年(行ケ)第10215号 http://www.courts.go.jp/hanr

  • [著作権]著作権法学会2008年研究大会を通じての示唆1:フェアユース規定の導入か、制限規定の解釈での解決か?: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 筆者の怠惰が原因で大変遅いペースでの著作権法学会参加報告となっている。お恥ずかしい限りである。 残りの個別報告については、各報告のまとめではなく、その場で得た知見とそれに基づく考察をまとめていきたい。 そのようにする理由は単純である。 ○実は午前の部は駒田先生以降しか聞けなかった(注1) ○島並先生の報告の時間は、不覚にも寝てしまった(注2) …ごめんなさい…。 なお、今週末の工業所有権法学会も、午前の部が聞けない。どなたか聞きに行かれる方、レポートしていただけないだろうか…。 ともかくも、以下、社会の変化によって著作権法を適用すると「社会通念上」妥当でない結論が出る場合にどのように対処すれば良いか、と

    himagine_no9
    himagine_no9 2008/06/02
    んと‥‥これ続くんだよね?
  • [著作権]インド著作権法に関する覚え書き : 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 必要があってインド著作権法を調べていると日法と異なるところが少なからずある。 おもしろかったので、覚え書き程度に書き留めてみた(注1)。 ■立法上の相違点 □貸与権の対象がプログラムの著作物に限定 インド著作権法は著作物の類型ごとに著作権の権利内容(支分権)を規定している。その中で貸与権に該当する権利はプログラムの著作物にしか与えられていない(14条(b)(ii))。 日において貸与権は貸レコード対策として立法され、その後著作物一般を対象とする支分権とされたものと説明されるが、インドでも同様にレンタルソフト対策として規定されたのであろうか。その立法過程が知りたいところである。 なお、同号但し書きはプ

    himagine_no9
    himagine_no9 2008/03/26
    時限譲渡の規定は日本法にも入れておくべきだと思うんだがな。あまりにも不公平な「買い上げ」が横行してるから。 / ただし許諾権自体どーよってのがあるけれども。
  • [著作権]行政目的の複製に対する複製権の制限(著作権法42条1項)に公衆送信権は含まれると解するべきか?: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 〔社会保険庁LAN雑誌記事事件〕東京地判平成20年2月26日(判例集未搭載)平成19年(ワ)第15231号(※設樂コート)は、著作権法42条の興味深い論点を示している。 ■事案の概要 被告(国)の設置した社会保険庁内のLAN(利用者:社会保険庁全職員約17000人)に、原告が著作権を有する雑誌記事(社会保険庁に対する苦情に関するものであった)を掲載したことが、原告の当該著作物にかかる複製権または公衆送信権を侵害するものとして争われた事案。 被告は、複製権侵害の主張に対しては著作権法42条1項(行政目的の複製に対する複製権の制限)に該当するとし、公衆送信権侵害の主張に対しては、文言上著作権法42条には公衆

  • [特許][時事]秘密特許制度実現への本気度: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 昨年12月、ブログ「[時事][特許]秘密特許制度の導入を検討しているらしい」で取り上げた秘密特許制度であるが、特許法を所管する上級官庁である経済産業省は腰を入れていることが、NBLに寄せられた知的財産政策室長の論稿(注1)から窺えた。 論稿によると、技術情報流出対策が2008年度の知的財産政策の中心の一つであるとし、具体的な問題事例として、安全保障技術の流出事例が取り上げられていた。ここから上記のように読み取ったのであるが、もし間違っていたら恥ずかしい。(なお、平成20年度予算では特に記述されていない。お金がかかるものではないからかもしれないが。) なお、秘密特許制度については、簡単に調べてみたとこ

  • [著作権][やるべきこと]著作権と憲法に関する論稿: 「知」的ユウレイ屋敷

    奥村弁護士のブログ「奥村徹弁護士の見解」(2007年3月9日記事)で紹介されていた、大林啓吾「表現の自由と著作権に関する憲法的考察――判例法理の批判から新たな議論の展開へ」大沢秀介『東アジアにおけるアメリカ憲法 憲法裁判の影響を中心に』(慶應義塾大学出版会、2006年)は面白そう。 奥村先生がまとめるところによると、日の判例が著作権と表現の自由の関係について触れるところがないことを問題視されているようだ。 この指摘に対しては、 ・日の裁判例において、原告が著作権法上の規定に対し違憲の可能性を述べていたにもかかわらず黙殺された例が多いのか(逆に言うと、著者の主張に対しては「単に原告側から憲法上の問題が持ち出されなかっただけでは?」とも思う。) という点が特に知りたい。

  • [特許]通常実施権等の登録制度の改正の方向性: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 産構審知的財産政策部会特許制度小委員会通常実施権等登録制度ワーキンググループ報告書《経済産業省へリンク。PDF》が公表されている。以前から議論のあった(注1)、通常実施権の登録制度についての見直しについて具体的な法案の方向性が示されたものと言えよう。 今後の備忘として報告書の内容をまとめた(注2)。 ■報告書要旨の整理 法改正の提案項目としては、 ●出願段階における登録制度の創設 ・出願段階における通常実施権・専用実施権のライセンスについて登録する制度を創設。 (特許を受ける権利者が破産した場合でもライセンシーを保護する制度とする。補正・分割があった場合においても引き続き効力を有する。出願の放棄・取り下

  • [意匠]意匠制度のハーモナイズに向けた課題:関連意匠制度をどうするか: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 ■知的財産推進計画において意匠制度についてだけ触れられていない国際的ハーモナイズ 知的財産制度の国際的ハーモナイゼーションに対しては、産業界を中心にニーズがあるところである。 『知的財産推進計画2007』(2006にしてもそうだが)には、特許、商標の手続面での国際的ハーモナイズのみならず、実体面(権利内容面)でのハーモナイズについての議論への参加が明示されている。しかし、意匠制度の国際的ハーモナイズについては触れられていない。 ■意匠制度におけるハーモナイゼーションの動き 意匠制度についてもハーモナイゼーションの動きはある。1999年に採択されたヘーグ協定ジュネーブアクトである(注1)。 2006年12

  • [時事][著作権]違法サイトの認定機関をめぐる強烈なジョークと留意点: 「知」的ユウレイ屋敷

    -知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 (2007年12月26日改訂)ブラウザでの「閲覧」行為についての著作権法上の評価について誤解がありましたので、訂正いたしました。お読みくださった皆様、私がご著書の内容を読み違ってしまった中山先生、申し訳ありませんでした。ご指摘くださったmさん、ありがとうございました。 既に報道された(ITmedia 2007年12月18日記事《ITmediaへのリンク》参照)通り、音楽、映像の著作物を違法に公衆送信可能化したサイトからのダウンロード行為が私的複製の範囲外とされる法改正の方向が固まったようだ。 上記ITmediaの記事でも触れられている通り、パブリックコメントには非常に多くの反対意見があったようだ(注1)