最近読んだ本。訓読みの歴史、めずらしい訓読みの紹介、一字多訓の話、振り仮名のこと、中国・台湾・朝鮮・ベトナムの訓読み事情など、訓読みにまつわるいろいろな話が書かれている。以前読んだ高島俊男さんの「漢字と日本人」のようにまとまった主題に沿って書かれているわけではなくいろいろな情報を雑多にあつめたという感じの本だが、個々の情報は知らない内容が多い。まあ、おもしろかった。 わたしは、「訓読み」というのは基本的にやまとことば(和語)に漢字を当てたものだと漠然と認識していた。たとえば、むかしの日本には mountain という意味のやまとことばである「やま」という語があったが、日本には文字がなかったので同じ意味の中国文字(漢字)である「山」と表記して「やま」と読むことにした、ということだ。それは、大筋で間違いではないが、この本を読んで、そういう経緯以外の流れでできた「訓読み」も相当数あるというふうに