「アストンマーティン」と聞くと、たいていの人は映画『007』を思い浮かべるだろう。主人公ジェームズ・ボンドが駆るイギリス生まれの流麗な超高級スポーツカーだ。 そのアストンマーティンで新しい経営トップが誕生したのが2014年秋。前任のウルリッヒ・ベッツ氏から、CEO(最高経営責任者)を引き継いだのが、元日産自動車で商品企画統括部門の副社長だったアンディ・ パーマー氏である。パーマー氏は、アストンマーティン本社のある場所からわずか5マイルほどの地域で育ったイギリス人。妻は日本人で娘も日本育ちと、日本の事情もよく理解している。このことは、日本の自動車業界関係者を驚かせた。 初めての日本法人を設立 そんなアストン・マーティンが今年1月、日本法人を設立した。アストンマーティンにとって日本は、イギリス以外では世界で2番目の販売実績を持つ市場ながら、意外なことにこれまで日本に現地法人はなく、英国アストン