機械などから出る低周波音への苦情が増えている。不眠や食欲低下などの健康被害を受けたとして、全国の自治体に寄せられる相談は年200件を超え、20年前の5倍以上になった。この間、省エネ対策で急速に普及した家庭用発電装置や給湯機器が発生源の一つとされ、隣人間のトラブルが裁判に発展するケースも出てきた。国は、こうした低周波音が不快感を生じさせることがあると認め、健康被害との関連を調べている。(河下真也) エネファームの音で「不眠」…隣家の男性が損賠提訴 神戸市内の一戸建てに住んでいた女性(61)は2010年12月、夜明け前に「ブーン」という耳慣れない音で目覚めた。室内の電化製品に異常はなく、窓を開けると、前日に引っ越してきた隣家の家庭用燃料電池「エネファーム」から聞こえる音とわかった。一定の低い音が24時間途切れず、それから3日間眠れなかった。食欲が落ち、胸に痛みなども感じて11年3月、近くのマン