介護や医療など必要な支援を拒否したり、ごみをためこんだりする「セルフネグレクト」の高齢者への支援について、現場の模索が続いている。地域包括支援センターと医師が連携する自治体などでは一定の成果を上げているが、早期の発見や介入が難しく、地域によって対応にばらつきがあるのも実情だ。 東京都北区の地域包括支援センター「みずべの苑」で5月上旬、医師の河村雅明さん(62)と社会福祉士らが話し合っていた。「部屋がごみだらけになっていて心配」。こうした支援が難しい高齢者に関する情報を共有して、支援の方法を検討する。会議は地域ごとに年3回ほど開かれる。 河村さんは、同区が2012年度から独自に導入した非常勤の「サポート医」。認知症に関する研修を受けた6人が現在務め、介護や医療を受けていない人を訪問して、認知症の有無を確認したり、介護保険の申請に必要な意見書を作成したりしている。 これまでに様々なケースに