【ベルリン中西啓介】1990年の東西ドイツ統一を主導し、「統一宰相」と呼ばれたドイツのヘルムート・コール元首相が16日、死去した。ドイツの主要メディアが報じた。87歳だった。89年11月のベルリンの壁崩壊後、「一つのドイツ」の強大化を不安視する英仏などの懸念払拭(ふっしょく)に努め、ドイツ統一の立役者になった。 30年、西部ルートウィヒスハーフェン生まれ。46年、西独のキリスト教民主同盟(CDU)に入党。69年から西部ラインラント・プファルツ州首相を務め、76年に連邦議会議員に初当選。82年10月、CDUと姉妹政党・キリスト教社会同盟、自由民主党による保守中道連立政権の首相に就任した。98年の総選挙でシュレーダー氏(社会民主党)に敗れるまで16年間首相を務め、在任期間はアデナウアー初代西独首相を抜き戦後…