首相の安倍晋三は2月9~13日の訪米で首脳会談やゴルフを通じて米大統領、ドナルド・トランプとの絆を強めた。「揺るがぬ日米同盟」を確認したこともさることながら、副総理兼財務相、麻生太郎と副大統領のペンスという日米ナンバー2の下に貿易や投資に関する「経済対話」の枠組みを設けた意義は大きい。首脳会談の舞台裏で何が起きていたのか-。(文中敬称略) ◇ ◇ ◇ 「麻生さんもぜひ一緒に訪米しましょう」 1月28日夜のトランプとの電話会談で訪米が決まった直後、安倍は麻生を誘った。昨年11月の訪米で「トランプとはうまくやっていける」と確信していたが、「トランプは安全保障と経済をごちゃ混ぜにしてディール(取引)しかねない」という懸念はなお残った。安保と経済を同じテーブルに乗せてはならない。そのための切り札が「強面の盟友」である麻生だった。 2月9日夜、安倍は羽田空港で、麻生、官房副長官の萩生田光一らと政