資料は見せ方が大事ということはわかっていても、デザイナーではないので、なかなか上手くはいかない。「中身がよけりゃ、見てくれなんて関係ねーよ!」と思いたくなる気持ちもわかる。 ビジネス文書のデザイン性について、デザインと心理のユニークな研究をしている千葉大学大学院工学研究科の日比野治雄教授に聞いてみた。 ひとことでセンスといっても、人によって好き嫌いの感覚は異なる。そこで、どのデザインが優れているかを心理学の手法を使って数値化して示したのが日比野教授の研究だ。 「たとえば病院で使う薬品のパッケージ。たくさんのクスリのなかから特定のものを見つけるのに、AとBどちらのパッケージデザインのほうが、早く、しかも間違わずに手に取ることができるか。心理学の実験ではビジュアルサーチ(視覚探索)といいますが、これを応用してデザインの評価に使ってみたのです」 確かに劇薬の取り扱いもあるクスリのパッケージデザイ