「ミルクは身体にいい」。これは80年代にアメリカの酪農組合が行った販促キャンペーンのスローガン。キャッチーな宣伝文句はさておき、「ミルクは強い骨を作る」というのは昔ながらの知恵。でも、最近のさまざまな研究結果から、その信ぴょう性が問われています。 ミルクと骨の健康の関係性は?一例をあげると、ミルクが骨の健康にとって本当に大切なら、乳糖不耐性(ミルクの中に含まれる乳糖を消化吸収できない体質でミルクを飲むことが難しい)の人は骨粗しょう症になりやすい、つまり骨が弱く、もろくなりやすいことになります。しかし、アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、乳糖不耐性と骨の弱さが関連するかどうかについては異なる証拠が出ていて、はっきりしていません。 また、有力医学誌、BMJ誌で2014年に報告された研究によると、ミルクを大量に摂った(1日にグラス3杯以上)女性で骨折のリスクが逆に「増えた」そう(男性では増