夢を見る浅い眠りである「レム睡眠」が、記憶を形成させる脳波を強めることを、筑波大学国際統合睡眠医科学機構と理化学研究所脳科学総合研究センターの研究グループが解明したと23日、発表した。レム睡眠と深い眠りの「ノンレム睡眠」を切り替える脳の神経細胞も発見し、研究グループは、睡眠障害のほか、アルツハイマー病やうつ病など脳波低下がみられる病気の研究に役立てたい、としている。研究成果は米科学誌サイエンス電子版に掲載された。 研究グループは、脳内で睡眠に関わると推定される部位を詳しく調べ、レム睡眠とノンレム睡眠を切り替える役割をしている神経細胞を発見。この神経細胞の機能を操作できるマウスを開発した。このマウスを使って実験したところ、レム睡眠を減らすと、記憶の形成に関わる脳波(デルタ波)が弱まり、逆にレム睡眠を増やすとデルタ波が強まることが判明。これらのマウス実験から、レム睡眠には、記憶形成や学習を促す