「よくテレビでゲリラ豪雨って言われるじゃないですか。あれって、気象関係者から見ると、悔しいんですよね。ちゃんと予測して警報を出した事例でも、夕方の番組でゲリラ豪雨と言われてしまうこともあるわけです。でも、考えてみてください。予測できないからゲリラなんですよ。ちゃんと予測しているのにゲリラと言われても釈然としなくて」 積乱雲の予測と防災にまつわる話題を、荒木さんはこんなふうに語り起こした。 ゲリラ豪雨というのは気象庁が定めた正式な用語ではない。突然降って、突然去っていくような、局地的な大雨のことを、予測できているかどうかに関わらずマスメディアでは呼んでいることが多い。 これは、気象庁の言葉では、「局地的大雨」に相当する。「急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨」というのが定義だ。荒木さんは、もう一歩踏み込んで、災害をもたらしうる局地的大雨のことを、「局地豪雨」