最近、なにかと「働き方」に注目が集まっている。ひとつの象徴的な出来事は、政府が肝いりで進める脱時間給制度、いわゆるホワイトカラー・エグゼンプションの導入だ。関連する労働基準法の改正法案は4月に閣議決定し、今後2016年4月の施行を目指して準備が進められている。 背景にあるのは、日本企業の生産性の低さだ。日本生産性本部によれば、日本の労働生産性は主要7カ国(G7)の中で1994年以来万年最下位だ。なかでも、ホワイトカラーの生産性向上は急務となっている。そのひとつの方策が、ホワイトカラー・エグゼンプションというわけだ。 脱時間給制度は必然的 現在の労働基準法では、超過時間労働に対しては一定の手当て、いわゆる残業代を支給しなければならないことになっている。しかし、この残業代は一定の前提がなければ成り立たない。それは、時間に比例して産出量が増え、増えた産出物は売れるという前提だ。個人への報酬は企業