【ワシントン=安江邦彦】独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が違法ソフトウェアで排ガス規制を不正にクリアしていた問題を巡り、米司法省は4日、VWを大気浄化法違反などでミシガン州東部地区の連邦地裁に民事提訴したと発表した。 民事制裁金の支払いや違法行為の差し止めを求めている。ロイター通信によると、制裁金は900億ドル(約10・7兆円)以上になる可能性もあるという。 訴状によると、VWは米当局による検査時に限って、ディーゼル車から出る排ガスに含まれる有害物質の量を減らすソフトウェアを利用し、米環境保護局(EPA)の排ガス基準を満たしていた。この結果、通常の走行時には窒素酸化物(NOx)が基準の最大40倍も排出され、大気汚染を引き起こした。司法省幹部は「米国人の健康を害し、消費者を欺いた」と指摘している。