IFAのオーディオ関連の展示を見ていると、日本をはじめとするアジアの企業がパーソナルオーディオで相変わらず強い存在感を発揮していることに気付く。コンパクトで高品質なモノ作りが得意なのはもちろんだが、そこに緻密な作り込みや繊細な感性が加わるのが、特に日本メーカーの強みだと思う。 そのことを今回最も強く印象付けたのが、ソニーのSignatureシリーズだ。ソース機器からアンプを経てトランスデューサーまで、ハイエンドの再生システムを共通のコンセプトで設計し、それを同時に提案する例はかなり珍しい。パーソナル&モバイルオーディオとしてはたしかに並外れて高価格だが、あえてそこまで踏み込んだ思い切りの良さにも感心する。実際のところ、IFAのタイミングに合わせて4製品を同時に完成させるのはかなり大変だったと聞いているし、各製品を担当する設計チームの間で完成度を競うような、良い意味での刺激の連鎖があったのか