元「広告批評」編集長・河尻亨一氏が、消費者の心を巧みにつかむヒットメーカーたちのコトバから、時代の“ツボ”を探る。インタビュー&レビューの「ハイブリッドスタイル」で、“テック”な現代のトレンドをディープに読み解いていく。 ヒットメーカーのコトバから時代のツボを浮かび上がらせる新連載「THIS IS HIT!」。前回に引き続き、作曲家・音楽プロデューサーの小室哲哉氏にヒット作りの“ツボ”を聞く。(前回の内容はこちら) ――ご自身の音楽を届けるマーケットみたいなものを、小室さんは以前から意識してこられたんですね。 小室 哲哉氏(以下、小室):そうですね。マーケットにはまらないところで、何を歌おうが、何を演奏しようが、人は聞く耳を持ってくれません。そこは最初から常に考えてきました。 僕らの仕事は、やはりバランス感覚が大切だと思うんです。一方では作家というか、いわゆるメロディーメーカーであったり、