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  • もなかのさいちゅう | 咳止めがひらく医療の世界?

    日が仕事始めで、現在当直中です。明日はそのまま日直をして、金曜日から通常業務。しかも今、風邪をひいてまして…。喉と頭が痛いです。なんと残念な2017年の幕開けでございましょうか。。。愚痴はこのくらいにして、日は真面目な話題を。 有名な咳止めのお薬に”デキストロメトルファン(メジコン®)”というのがあります。これが色々な方面に役立つのではないか…?と言われておりまして。枯れた技術の水平思考みたいな。今回はこの論文を参考にして浅く見てみましょう(図もこの論文から)。 Nguyen L, et al. Dextromethorphan: An update on its utility for neurological and neuropsychiatric disorders. Pharmacol Ther. 2016 Mar;159:1-22. PMID: 26826604 デキストロ

    もなかのさいちゅう | 咳止めがひらく医療の世界?
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    hiromasai 2017/01/04
    本日が仕事始めで、現在当直中です。明日はそのまま日直をして、金曜日から通常業務。しかも今、風邪をひいてまして…。喉と頭が痛いです。なんと残念な2017年の幕開けでございましょうか。。。愚痴はこのくらいにし
  • もなかのさいちゅう | 歯が痛い、舌が痛い

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    hiromasai 2016/09/07
    歯の痛みや舌の痛みで歯医者さんに行っても「異常なし」と言われて困ってしまう人たちがいます。「こんなに痛いのに異常がないなんて…」と不思議に思い、別の歯医者さんに行ってみる。そこでも「異常なし」と言われ
  • もなかのさいちゅう | 開始する量

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    hiromasai 2016/08/06
    抗うつ薬を使う必要のある患者さんはやはりいます。使うにあたって考慮にいれるべきなのが、副作用。抗うつ薬の副作用で最も多いのが嘔気嘔吐だと思っています(SSRI/SNRIの場合)。何とも言いようのない吐き気のようで
  • もなかのさいちゅう | 糖尿病とエビデンス

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    hiromasai 2016/07/18
    能登洋先生の『最新 糖尿病診療のエビデンス』を読みました。  と言っても発売された時に読んだのでほぼ1年前ですけど。この前ちょっと読み返してみたのです。  糖尿病治療におけるエビデンスを○×形式でまとめてく
  • もなかのさいちゅう | 痛みへの関わり~お薬と態度

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    hiromasai 2016/05/07
    2016年2月29日、アミトリプチリン(トリプタノール®)が末梢性神経障害性疼痛への適応を取得しました。そして追いかけるように同年3月18日、デュロキセチン(サインバルタ®)が慢性腰痛症に伴う疼痛への適応取得。それ
  • もなかのさいちゅう | 化学療法による嘔吐とそれの予防薬剤を整理

    今回は、以下の論文で知識の整理をしました。 N Engl J Med. 2016 Apr 7;374(14):1356-67. Navari RM, et al. Antiemetic Prophylaxis for Chemotherapy-Induced Nausea and Vomiting. その中から病態生理・薬理・ガイドラインをかいつまんで見てみましょう。専門外ではありますが…。自分のコメントを入れる時は、**印で挟んでおります。 ----------------------------------------------- 化学療法による嘔吐は5つのカテゴリーに分類されます。 ・Acute:化学療法開始24時間以内に始まる。多くは5-6時間後にピークを迎える ・Delayed:化学療法開始後24時間から数日(2-5日)以内に始まる ・Breakthrough:適切な予防を講じ

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    hiromasai 2016/05/02
    今回は、以下の論文で知識の整理をしました。N Engl J Med. 2016 Apr 7;374(14):1356-67.Navari RM, et al. Antiemetic Prophylaxis for Chemotherapy-Induced Nausea and Vomiting. その中から病態生理・薬理・ガイドラインをかいつまんで見てみましょう。専
  • もなかのさいちゅう | エビデンスに基づく、とは

    EBMはもはや医療ですっかり根付きました。初めて文献に登場したのは、1992年のJAMA(Evidence-Based Medicine Working Group. Evidence-based medicine. A new approach to teaching the practice of medicine. JAMA. 1992 Nov 4;268(17):2420-5.)。それ以来急速に広まっています。 ただし、言葉というのはそこに込められた信念が抜け落ちて、表面的な部分だけ伝わってしまうことが往々にしてあります。そして、EBMも例外ではない、と自分は思っています。 EBMとは何なのか? 悲しいことに、言葉が独り歩きしてしまい、Evidence "Soaked" Medicine、同じEBMという略語を用いるならばEvidence "Biased" Medicineになって

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    hiromasai 2016/01/27
    EBMはもはや医療ですっかり根付きました。初めて文献に登場したのは、1992年のJAMA(Evidence-Based Medicine Working Group. Evidence-based medicine. A new approach to teaching the practice of medicine. JAMA. 1992 Nov 4;268(17):2420-5.)。それ以来急速に広まっ
  • もなかのさいちゅう | 風邪を風邪と診断するために

    救急外来でとても多い風邪の患者さん。研修医はたくさん来る患者さんの中からミミックを探しだして倒さねばなりません(倒せずザラキを唱えられて砕け散るのも避けたいですね…)。換言するならば 風邪を風邪と言い切れるか!? という、一見当然にも感じられることがとても大事になってきます。 今回は1年次研修医向けにつくった勉強会のレクチャーから、風邪についてお話(しかし勉強会自体がなくなってしまったのでお蔵入りになってしまった…)。ほとんどは故・田坂佳千先生の書かれた『”かぜ”症候群の病型と鑑別疾患(今月の治療. 2006;13(12):1217-21)』をベースにしています。いわゆる”風邪”(例えば岸田直樹先生の『誰も教えてくれなかった風邪の診かた』や山舜悟先生の『かぜ診療マニュアル』)も元をたどるとこの田坂先生の論文に行き着きます。風邪の源流と言っても良いでしょう。 さて、研修医にとってとても

    もなかのさいちゅう | 風邪を風邪と診断するために
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    hiromasai 2015/11/01
    救急外来でとても多い風邪の患者さん。研修医はたくさん来る患者さんの中からミミックを探しだして倒さねばなりません(倒せずザラキを唱えられて砕け散るのも避けたいですね…)。換言するならば風邪を風邪と言い切
  • もなかのさいちゅう | アミトリプチリン適応追加予定ということで

    ”痛み”を抱える患者さんは多く、世界では約3人に1人が慢性疼痛を有していると言われます。自分は慢性頭痛と顎関節症がありまして、最近ちょっと顎の調子がよろしくなくて大きく口を開けるととても痛い…。抑肝散加芍薬あたりが効くかもしれません(?)。そしてその3人に1人のさらに5人に1人(15人に1人)が神経障害性疼痛であるとも言われます。 さてそんな神経障害性疼痛ですが、最近は慢性疼痛の中の侵害受容性疼痛とスパッと分けられずにスペクトラムをなしているのではないか、とささやかれています(まるでそれは緊張性頭痛と偏頭痛との関係のような)。同じ神経伝達物質・神経ペプチド・炎症性サイトカイン・ケモカインなどが関与し、かつ上行性の経路・そのシグナルを受ける脳部位・下行調節経路も質的には同じだ、ということのようです(Cohen SP, et al. Neuropathic pain: mechanisms

    もなかのさいちゅう | アミトリプチリン適応追加予定ということで
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    hiromasai 2015/09/02
    ”痛み”を抱える患者さんは多く、世界では約3人に1人が慢性疼痛を有していると言われます。自分は慢性頭痛と顎関節症がありまして、最近ちょっと顎の調子がよろしくなくて大きく口を開けるととても痛い…。抑肝散加
  • もなかのさいちゅう | 鵜呑みにしない、自分で考える

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    hiromasai 2015/07/08
    7/7に行なわれたシオ○ギさんのwebカンファレンスは、呼吸器感染症でカルバペネム系を使う時についてのお話。もはやタイトルからして不安な香りが漂うという素敵なカンファです。 研修医の時にこの会社のwebカンファを
  • もなかのさいちゅう | 高度のDehydrationはVolume depletionを伴う

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    hiromasai 2015/06/13
    この前は研修医勉強会があり、1年次研修医から脱水について質問がありました。そこで、話をしていくうちにタイトルの通り自分「Dehydrationは高度になるとVolume depletionも伴うよね」研修医「う…、はい」自分「だから、Dehyd
  • もなかのさいちゅう | 嘔気嘔吐という訴え

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    hiromasai 2015/05/29
    5月の中旬、久々に研修医勉強会を再開しました。1年次研修医は初々しい感じで、昔は自分もこうだったんだなぁと懐かしくもなりました。 1人に救急外来の症例発表という生贄になってもらい、鑑別の仕方をたどり、どの
  • もなかのさいちゅう | 潤して咳を治す

    有名な漢方薬に、”麦門冬湯(ばくもんどうとう)”というのがあります。 痰が出てこない、コンコンとするような空咳に用います。「咳に麦門冬湯」というような覚え方だとよろしくなく、痰がたくさん出るような咳にも使ってしまうかも。それだと逆に悪化しますよ(何故か改善するという不思議な事態もありますが)。同じ咳でも、いわゆる”湿性の咳”と”乾性の咳”とでは、出す漢方薬は全く異なります。 この麦門冬湯、生薬を見てみましょう。 麦門冬、半夏、人参、粳米、大棗、甘草 鎮咳作用は、半夏が担っています。去痰作用もしっかりと存在。しかしこの半夏、身体を乾かす作用がありまして(燥性)、空咳にこれだけだと非常によろしくない。 そこで、残りの麦門冬、人参、粳米、大棗、甘草です。これらは全て身体を潤す作用があり(潤性)、半夏の乾かす作用を補って余りあるのでございます。気道を潤すことで、咳を止めようと言う意味合いもあります

    もなかのさいちゅう | 潤して咳を治す
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    hiromasai 2015/04/11
    有名な漢方薬に、”麦門冬湯(ばくもんどうとう)”というのがあります。 痰が出てこない、コンコンとするような空咳に用います。「咳に麦門冬湯」というような覚え方だとよろしくなく、痰がたくさん出るような咳に
  • もなかのさいちゅう | 悪性症候群をちらりと疑った時は

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    hiromasai 2015/02/06
    悪性症候群は、多くの場合は抗精神病薬の使用による疾患です。他には抗パーキンソン病薬をいきなり中断した時や、ごく稀ですがメトクロプラミド(プリンぺラン®)やドンペリドン(ナウゼリン®)といった制吐剤の使
  • もなかのさいちゅう | 抗核抗体はいたずらに測らないこと

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    hiromasai 2014/12/09
    研修医「不明熱の患者さんなんですけど、膠原病も考えて抗核抗体測りました! 陽性かくにん! よかった」 こんなことを言う研修医がいます。自分「確かに不明熱だとそれは考えるけど、膠原病って言ってもたくさんあ
  • もなかのさいちゅう | PPI長期処方のリスク

    PPI(プロトンポンプインヒビター)は胃酸を抑えるお薬で、良く処方されます。医者の処方閾値はだいぶ低い部類で、手軽に気軽にぽいっと出す。日では、オメプラゾール(オメプラール®/オメプラゾン®)、ラベプラゾール(パリエット®)、ランソプラゾール(タケプロン®)、エソメプラゾール(ネキシウム®:オメプラゾールの光学異性体)の4つが今のところ出ています。 そんなPPIですが、やはりお薬なだけあって副作用も当然あります。あまり気にせず漫然と処方している医者も多いので、ちょっとここでしっかりと見てみましょう。 1) Vakil N. Prescribing proton pump inhibitors: is it time to pause and rethink? Drugs. 2012 Mar 5;72(4):437-45. 2) Heidelbaugh JJ. Proton pump in

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    hiromasai 2014/11/22
    PPI(プロトンポンプインヒビター)は胃酸を抑えるお薬で、良く処方されます。医者の処方閾値はだいぶ低い部類で、手軽に気軽にぽいっと出す。日本では、オメプラゾール(オメプラール®/オメプラゾン®)、ラベプラゾ
  • もなかのさいちゅう | ダムが決壊すること

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    hiromasai 2014/09/20
    お薬は急にやめるとリバウンドが生じます。ベンゾジアゼピン系は比較的知られていますが、今回はドパミンやセロトニンなどの受容体をブロックするお薬についても見てみます。 向かって一番右がリバウンドの症状。例
  • もなかのさいちゅう | お薬という精神療法

    想像を掻き立てられる論文がありました。 Eisenberger NI. The pain of social disconnection: examining the shared neural underpinnings of physical and social pain. Nat Rev Neurosci. 2012 May 3;13(6):421-34. Dankoski EC, et al. Facilitation of Serotonin Signaling by SSRIs is Attenuated by Social Isolation. Neuropsychopharmacology. 2014 Jul 1. [Epub ahead of print] 1つ目の論文は、social painとphysical painという2つの痛みを対比させています。前者は人と人

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    hiromasai 2014/08/02
    想像を掻き立てられる論文がありました。Eisenberger NI. The pain of social disconnection: examining the shared neural underpinnings of physical and social pain. Nat Rev Neurosci. 2012 May 3;13(6):421-34.Dankoski EC, et al. Facilitation of Serotonin Signaling by SSRIs is Attenuated b
  • もなかのさいちゅう | そんなに効くのか?

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    hiromasai 2014/03/08
    ラメルテオン(ロゼレム®)はメラトニンアゴニストという部類の睡眠薬で、睡眠リズムが崩れてしまった患者さんに処方することがあります。いわゆる睡眠相後退症候群て名前のついたものですね。この場合は就寝前に飲
  • もなかのさいちゅう | 神経障害性疼痛における免疫系の役割

    神経障害性疼痛は、体性感覚神経系の障害や疾患によって引き起こされる疼痛と定義されます。感覚異常と関連があり、痛みが続くことやparaesthesia、そして刺激への反応の変化(allodyniaやhyperalgesiaや感覚消失)などが見られます。 これがなかなか厄介。患者さんも辛いし医者も有効な手立てが乏しいし。器質的な異常はない!との理由で精神科に流れ着く患者さんも実に多いのです。患者さんからすると「何で精神科!?私の気のせいだっていうの??」という思いでしょうが、決してそうではなく、昔から心身一如と言いますし、かつ精神科で用いる薬剤の中には痛みに有効なものもあり、精神科医が使い慣れているということもあります。 今回はこの神経障害性疼痛のメカニズムを、参考文献1を主軸にして少し細かく見て行きましょう。免疫系が強く関与しているというのがポイントです。 まずは痛みの経路を図示します(参考

    もなかのさいちゅう | 神経障害性疼痛における免疫系の役割
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    hiromasai 2014/01/14
    神経障害性疼痛は、体性感覚神経系の障害や疾患によって引き起こされる疼痛と定義されます。感覚異常と関連があり、痛みが続くことやparaesthesia、そして刺激への反応の変化(allodyniaやhyperalgesiaや感覚消失)などが見られ