本論文が既存の実装の課題の一つとして指摘するのは、上記のように、CPU コアの割り当てモデルは性能に大きな影響を与える要素でありながら、多くの既存の性能に最適化された TCP/IP スタック実装は、TCP/IP スタック実装利用者が任意の CPU コア割り当てモデルを適用することを許容するような設計になっておらず、本来達成可能な性能を発揮できない構成を強要することです。 例えば、mTCP [10] という実装では unified モデルは採用できず、TAS [12] という実装では、split モデル以外適用できません。 2.2 組み込みやすさ・可搬性を考慮した実装 (Portability-aware TCP/IP Stacks) 2.2.1 NIC オフロード機能への配慮の欠如 (Unaware of NIC hardware offloading features) 大きなデータを転