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ブックマーク / note.com/ruiu (14)

  • オープンソースビジネスの挑戦と現実|Rui Ueyama

    いい感じのオープンソース・ソフトウェアを書いて、それを元に起業することを考えてみたことがある人は結構いるようだ。実際に僕はここ1年半ほど、自作のオープンソース・ソフトウェアを元にビジネスを立ち上げようと試行錯誤してきた。その経験についてここでシェアしてみようと思う。 あらすじ薄々予期していたことではあったけれど、結論から言うと、そんなにはうまくいかなかった話ということになる。要点をまとめると次の通りだ。 「moldリンカ」というオープンソースのツールを開発して、それを元にビジネスを行おうとしていた そこそこ稼ぐことはできたものの、大きなリターンを得るのは難しかった ほとんどの企業はオープンソースを大々的に活用していても「無料のソフトウェア」にはお金を払うつもりはないし、払いたくても社内制度上できない 大きなリターンを得たいのならば、自作のオープンソース・ソフトウェアを元にサービスを立ち上げ

    オープンソースビジネスの挑戦と現実|Rui Ueyama
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    hiroomi 2023/06/07
  • IPv6がなぜいまだに普及していないのか|Rui Ueyama

    現在のインターネットの基をなしているIPv4というプロトコルには、広く知られた大きな欠点がある。パケットのアドレスフィールドの幅が32ビットなので、ネットワークに接続可能なホスト数の上限が2³²(約43億)になってしまっているのだ。その欠点を修正するために、1990年代後半にIPv6という新たなプロトコルが設計されたのだけど、いまだにインターネットではIPv6は少数派で、主流ではいまだにIPv4が使われている。 1990年代当時は、IPv6は規格を策定すれば比較的すぐに普及するはずで、それによってインターネットが抱えているアドレス枯渇の問題が解決されるという雰囲気だったように思う。1998年にタイムトラベルして、20年たってもまだIPv4を置き換えることに成功していないと当時の人のIPv6推進者たちに教えたら、多分すごくびっくりされるだろう。一体どうしてこんなに普及が遅れてしまったのだろ

    IPv6がなぜいまだに普及していないのか|Rui Ueyama
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    hiroomi 2019/11/05
  • オープンソース活動がフルタイムの仕事になる仕組みの話|Rui Ueyama|note

    僕の仕事をひとに説明するときに、「Google仕事をしているけどオープンソースなのでGoogleのプロダクトを作っているわけではないし、むしろアップルとかソニーの人と一緒に仕事している」と言うと、「???」という反応になることが多いので、僕はこういう仕事をしているんだよということをここでちょっと説明してみようと思います。 (2016年の僕のFacebookの投稿の転載です。) 僕のいるチームはLanguage Platform Teamというところで、プログラミング言語や開発ツールの開発をしています。LPTの中にもいろいろ細かいチームが分かれているのですが、僕がいるのはC++チームで、Googleで主要開発言語になっているC++言語の開発環境を担当しています。 C++で開発をするときには、C++ツールチェインと呼ばれる一連のツールを使います。ツールチェインの一番大きなコンポーネントは、人

    オープンソース活動がフルタイムの仕事になる仕組みの話|Rui Ueyama|note
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    hiroomi 2018/11/01
    “そういう開発体制だと元のソースコードの開発ペースに追いついていくのが大変で、現実的には辛いことになるようです。”
  • Cコンパイラ制作の夏期集中コースが思っていた以上にうまくいった話|Rui Ueyama

    2018年の夏に僕はセキュリティキャンプ(以下「セキュキャン」)というイベントでCコンパイラ作成コースの授業を行いました。授業はとてもうまくいったといってよいと思います。参加者は6人だったのですが、6人全員プログラミング技術がかなり飛躍的に向上したようですし、そのうち3人は期間中にセルフホスト(自分の書いているコンパイラで自分のコンパイラ自身をコンパイルできること)まで漕ぎ着けることができました。 この文章では、その授業をどのように僕が教えたのかということと、生徒にできるだけ多くのことを学んでもらって自信をつけてもらうために僕が何を気をつけていたのかという2つの点について説明します。 セキュキャンとはセキュキャンは5日間の合宿イベントで、学生を対象としてコンピュータセキュリティやプログラミングについて教えるというものです。いくつものコースが用意されているのですが、僕が受け持ったのは「集中コ

    Cコンパイラ制作の夏期集中コースが思っていた以上にうまくいった話|Rui Ueyama
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    hiroomi 2018/09/02
    “オンラインでハングアウトを使ってビデオミーティングをして初回の顔合わせ”
  • 「悪い方が良い」原則と僕の体験談|Rui Ueyama

    ソフトウェアの世界には「悪い方が良い」原則という有名なエッセイがある。キレイにレイヤ分けされた一貫性のある良いデザインよりも、一見手抜きの悪いデザインのほうが実は良いときもあるという話だ。この逆説的なデザイン原則を僕は身をもって体験したことがある。それについてちょっと書いてみようと思う。 僕はlldというリンカの現行バージョンのオリジナル作者だ。リンカというのはコンパイラと組み合わせて使うもので、実行ファイルやDLLを作るのに使用される。lldはプロダクトとしてはかなり成功していて、標準のシステムリンカとして採用しているOSがいくつかあったり、GoogleやFacebookなど皆が知っているような大規模サイトの中で広く使われていたりする。 現在のlldは2世代目で、第1世代のlldは僕がプロジェクトに参加する前から存在していたのだけど、数年前にそれを捨てて一から書き直すということになった。

    「悪い方が良い」原則と僕の体験談|Rui Ueyama
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    hiroomi 2018/04/06
    ”あらゆる部分で微妙に異なる機能を無理やり統合して書くのに比べて、遥かにコードが簡素化された。”お行儀が良い
  • 意図的にプログラムの動きをランダムにしてバグを早期発見するテクニックについて|Rui Ueyama

    プログラムを書いていると、素直に実装した結果として毎回特定の条件が満たされているけど、来それは誰も保証してないという場面に出くわすことがよくある。保証されていない偶然の動作に依存することで生じるバグというのはかなり多い。 例えば最近では、ドラゴンボールZ ドッカンバトルというゲームで、2回SQL文を実行した結果が同じ順序で並んでいるという誤った期待をしているコードがあったせいで、ガチャの確率表示がめちゃくちゃになってしまって、運営が確率操作しているのではないかという騒動が発生したことがあった [1]。データベースでは空のテーブルにデータを追加してその直後に読み返すと、データを追加した順番に結果が返ってきたりしがちなので、問題のコードはきれいなテスト環境では偶然うまく動いてしまったのだろうと思う。 上のようなバグを防ぐために最近よく使われているのは、来保証しないところをわざと壊すという方

    意図的にプログラムの動きをランダムにしてバグを早期発見するテクニックについて|Rui Ueyama
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    hiroomi 2017/12/13
  • x + 0.25 - 0.25 = xが成り立たないxとは何か|Rui Ueyama

    スタンフォードのコンピュータサイエンスの授業で、ときどきこれは良問と思う問題がテストで出ることがある。僕の印象に残っているのは「xをfloatとするとき、x + 0.25 - 0.25 = xが成り立たないxを求めよ」というものだ。浮動小数点数を理解していないと、両辺が同じにならないケースがあるほうが不自然に思えるだろうから、この問題は浮動小数点数の奇妙さを結構うまく突いていると思う。この問題を元に浮動小数点数についてちょっと説明してみよう。 まずコンピュータ上での数について少し考えてみよう。コンピュータにおける数と、数学の整数や実数は、よく考えてみると全然違う。コンピュータは有限の記憶領域しか持っていないので、無数にある数を表すことが根的にできない。つまりコンピュータ上の数は「物の数になるべく似せた別の何か」だ。現実的には、例えば32ビットの数なら2^32パターンしか表せないので、そ

    x + 0.25 - 0.25 = xが成り立たないxとは何か|Rui Ueyama
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    hiroomi 2017/11/29
  • エレベータに見るアルゴリズムの性能と公平性のバランス|Rui Ueyama

    現実世界でもコンピュータの中でも、何らかの性能指標だけを追求すると参加者にとって極端に不公平になってしまうことがある。例えばエレベータとHDDは共通点がありそうに思えないが、この2つは性能特性的にとてもよく似ていて、リーズナブルな性能と公平性を両立させるために同じ制御方法が使われている。これについてちょっと説明してみよう。 1基しかない場合のエレベータの動き方は単純だ。一度上に動き出すと、上で待ってる人や降りる人がいる限り上昇し続ける。同じように、一度下に動き出すと、下で待っている人や降りる人がいる限り下降し続ける。これ以外の動き方をするエレベータはまず存在しないので、これが唯一の制御方法のように思えるけど、別にこうしなければいけないというルールはない。 エレベータの平均待ち時間を最適化することを考えてみよう。そうすると、一方向に動き続ける代わりに、エレベータが現在存在する階に一番近い人の

    エレベータに見るアルゴリズムの性能と公平性のバランス|Rui Ueyama
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    hiroomi 2017/11/24
  • 乱数生成器とゲームと諜報活動の話|Rui Ueyama

    ゲームなどを作っているとランダムさが必要になることがあるけど、コンピュータは基的に毎回全く同じように動くので、乱数を作り出すのはそう簡単なことではない。Wi-FiやHTTPSなどの暗号は乱数のランダムさに質的に依存しているので、高品質な乱数生成は世の中的にも重要な話題である。ここでは乱数生成について話をしてみよう。 ゲームではイベントがプレイヤーに予測不可能であればよいだけなので、真の乱数列ではなく擬似乱数列というものを使うことが多い。擬似乱数列は人間にはランダムにみえるけど、実際は何らかの数式によって順番に生成されているだけの数の列で、初期値を毎回違うものにしておくと、人間には毎回違う数列が生成されるようにみえる。初期値には現在時刻を使うことが多い。現在時刻は普通の用途では毎回違うからだ。 昔のゲーム機は現在時刻の設定がなかったので、ファミコンなどでは、起動してからの経過時間を疑似乱

    乱数生成器とゲームと諜報活動の話|Rui Ueyama
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    hiroomi 2017/11/22
    "結局のところ全面的に信用するのはリスクが高すぎる"
  • メモリのビット反転エラーとセキュリティの話|Rui Ueyama

    ハードウェアのエラーでメモリの内容が化けてしまうことが稀にある。大抵のDRAMエラーはせいぜいプログラムがクラッシュする結果になるだけだが、データ破壊になることもありえるし、悪意のある使い方をすればセキュリティ破りに使うこともできてしまう。ここではメモリエラーとセキュリティの話をしようと思う。 メモリのエラー率は意外なほど高い。データセンターで大規模なマシン群を対象に実際に観測したところ、1年間に1回以上のエラーが発生したDIMMモジュールは全体の8%にのぼったそうだ。DIMM 1枚に数百億個のメモリセルが実装されているといっても、このエラー率はちょっとびっくりするくらい大きな数字ではないだろうか? サーバでは普通はエラー訂正付きのDIMMを使うので1ビットのエラーは問題にならないが、エラー訂正のないコンシューマ機器ではこれは実際的な問題になりえる。 メモリエラーを利用したセキュリティ破り

    メモリのビット反転エラーとセキュリティの話|Rui Ueyama
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    hiroomi 2017/11/20
  • オーバーフローが引き起こした面白いバグの話|Rui Ueyama

    一度聞いたら忘れられないような印象深いバグというものがある。僕は数値のオーバーフローと聞くと必ずこの2つのバグを思い出してしまう。どちらも面白いエピソードなのでちょっと紹介してみよう。 一つ目は、初代Civilizationにあったバグである。Civilizationは文明間で戦う戦略シミュレーションゲームで、チンギスハンとかエリザベス女王みたいなプレイヤーを選んで、世界制覇か宇宙開発競争での勝利を目指すというゲームだ。 初代Civilizationにあったバグは、非暴力主義のガンジーが突然核攻撃してくるというものだった。原因は文明が民主主義を採用すると攻撃性が2下がるというロジックだった。初代Civではガンジーの攻撃性は全プレイヤー中で最小の1なのだが、ゲームが進んでインド文明が民主主義を採用すると、攻撃性がマイナス2されてオーバーフローで255になり、ガンジーがゲーム中で突如、極度に攻

    オーバーフローが引き起こした面白いバグの話|Rui Ueyama
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    hiroomi 2017/11/17
  • ソフトウェアの互換性と僕らのUser-Agent文字列問題|Rui Ueyama

    いろいろな環境で動くプログラムでは互換性のためにその場しのぎのことをしないといけないことがよくあるけど、歴史が積み重なってくると、アドホックな技の上にアドホックな技が積み上がる喜劇的な状態になることがある。こういう問題は認識するのは簡単だが直すことは誰にもできない。まさに僕がそのような体験をしたのでちょっと説明したい。 僕は仕事としてオープンソースのlldというリンカを書いている。リンカというのはコンパイラが生成したバイナリファイルをつなぎ合わせて最終的な実行ファイルやDLLを作成するプログラムで、知らない人も多いと思うけど、何をコンパイルしても最後にはリンカが動いている。lldは既存プログラムより何倍も速くてビルドが早くなるというので最近は結構人気が高まっていて、FreeBSDなどのいくつかのOSが全面的にスイッチしようとしたり、あるいは大規模プロジェクトChromeや、どうもFire

    ソフトウェアの互換性と僕らのUser-Agent文字列問題|Rui Ueyama
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    hiroomi 2017/11/15
    ”configureは裏でリンカを--helpオプション付きで実行していて、表示されたヘルプメッセージの中に"GNU"あるいは"with BFD"という文字列が含まれていた場合だけモダンなリンカが存在すると判定”
  • 絵文字がある種のUnicodeバグを世界から一掃しつつある件について|Rui Ueyama

    UnicodeのUTF-16エンコーディングではほとんどの文字(コードポイント)は2バイトで表現されるが、Unicodeに後から追加収録された文字の多くは4バイトで表現される。4バイト文字がうまく扱えないプログラムというのはわりとよくある。しかし世界中で広く使われるようになった絵文字がよりによって4バイト文字であるせいで、そのような文字が扱えない問題がよいペースで解決に向かいつつある。それについて少し説明してみようと思う。 Unicodeが80年代から90年代初頭にかけてデザインされたときの目標の一つは、Unicodeに含まれる文字数を65536個以内に収めることだった。現代の文章を実用的なレベルで表すためには、漢字などを含めてもそれだけの種類の文字があれば十分だと考えられたのだ。当然これは1文字を2バイトで表すことを念頭に置いていた。つまりコンピュータの揺籃期から当時に至るまで単純に英語

    絵文字がある種のUnicodeバグを世界から一掃しつつある件について|Rui Ueyama
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    hiroomi 2017/11/13
    "世界中で広く使われるようになった絵文字がよりによって4バイト文字であるせいで、そのような文字が扱えない問題がよいペースで解決に向かいつつある。"ニーズで動くと。
  • 「プログラミングの常識」を時々見直す必要性について|Rui Ueyama

    自分の中のプログラミングの常識というものは、ときどき現実のハードウェアに合わせて調節しないといけない。ハードウェアが進歩し続けているので、コンピュータで簡単にできることと相対的に難しいことのバランスが変化し続けているからだ。ここでは特にストレージにフォーカスして書こうと思う。 昔はメモリが相対的にとても貴重な資源だったので多くのプログラマがメモリを節約することに血道を上げていた。例えばWindowsの初期の頃に設計されたデータ構造には、メモリをバイト単位ででもいいから節約したいという意図の痕跡がいまでも多く見受けられる。DRAMの次に速い記憶装置はHDDだったので、メモリが足りなくなればHDDにデータを保存せざるを得ないのだが、DRAMとHDDのランダムアクセスの速度差は、机の上のの開いているページを見るのと、そのAmazonで注文して到着するのを待つのと同じくらいのスケールで違うの

    「プログラミングの常識」を時々見直す必要性について|Rui Ueyama
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    hiroomi 2017/11/02
    都度、評価しながらやらないと累積的に面倒。
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