先日、かねてより記者が憧れていた人物を取材する機会を得た。トヨタ自動車副社長の河合満氏、70歳。2017年4月1日付の人事で豊田章男社長から、副社長に大抜擢された「中卒の現場育ち」(ご本人いわく)である。 なぜ憧れていたかというと、純粋にその生き様が格好いいと思っていたから。河合氏は中学卒業後、トヨタの企業内訓練校であるトヨタ技能者養成所(現トヨタ工業学園)に入学、66年にトヨタに入社した。生産現場で技能をトコトン磨き、現場の人たちから尊敬される現場の知識(知恵)と人間力が買われ、幹部に引き上げられた。副社長となった今も、オフィスを本社ではなく、本社工場の鍛造工程近くの事務所エリアに置いているという。 そのすぐ横には「鍛造風呂」と名付けられた巨大な浴場(全長28m、幅9mの浴室の中に全長4m、幅2.7mの浴槽が3つあるという)がある。鍛造工程の作業で汚れた体を洗い流すために設置されたもので