SC12において、京コンピュータを使った重力N体問題でGordon Bell賞を獲得した東京工業大学(東工大)の牧野教授が、SC12で重力N体問題専用のアクセラレータ「GRAPE-8」の論文を発表した。 太陽と地球はニュートンの万有引力(重力)で引き合っており、それが遠心力と釣り合って、地球は一定の軌道を回っている。このような2つの物体だけの動きは解析的に解けるが、3体以上になると、特殊な場合以外は解析的な答えは得られず、コンピュータを使って数値的に解くしかない。多数の星と重力、それにダークマターとダークエネルギーを含めて、それらが時間を追ってどう動くのかを計算するのが重力N体問題である。 1つの物体(粒子)に着目して、他のすべての粒子との間の力を計算して合計し、着目した粒子に働く力を求める。これをすべての粒子に対して行い、それぞれの粒子の質量と働く力による粒子の動きを、時間を追ってシミュ