◇妊娠を公にしたくない人に寄り添って--検証会議の座長を務めた柏女霊峰・淑徳大教授(児童福祉学)の話 「こうのとりのゆりかご」は、現在の子育て支援や社会的養護に関する制度の課題を浮き彫りにした。今後似た仕組みが広がる可能性もあるが、子どもの身元が分からないと、育っていく上でのリスクが大きい。 現在の妊産婦健診や新生児訪問事業などは基本的に妊娠を歓迎する家庭が対象だ。最終報告では現行制度を補完するため、医療機関から市町村への妊娠、出産の届け出制度の導入などを提案した。医療機関に行かない人を増やす懸念もあるが、妊娠を公にしたくない人たちに寄り添い、ゆりかごでなく相談に組み込んでいくためには、こうした家庭に行政が積極的にかかわる制度の検討や民間活動に対する支援を充実させる必要がある。
育児が困難な親が匿名で乳児を託せる慈恵病院(熊本市)の「赤ちゃんポスト」(こうのとりのゆりかご)について、有識者らによる熊本県の検証会議は26日、最終報告書を公表した。この中で親が子供を預けた理由を初めて示し、経済的事情のほか、不倫相手との間に生まれた子供だったり、出産が戸籍に残ることを懸念したりしたケースがあることが明らかになった。 検証会議は制度自体について「親に対する相談と一体的な運用がなされる限りでは、一定の意義が認められる」と評価。国に対しては、妊娠・出産に対応するシェルターの整備など体制を拡充するよう提言している。 報告書によると、2007年5月の設置から今年9月末まで、全国から51人の子供の預け入れがあった。その後の連絡などで39人の親が判明し、うち7人が元の家庭に引き取られた。 子供を預けた理由については、「戸籍に入れたくない」が8人、「生活の困窮」が7人、「不倫」が
熊本市は25日、親が育てられない赤ちゃんを匿名で引き受ける「こうのとりのゆりかご」に08年度の1年間で25人が預けられたと発表した。 慈恵病院が07年5月に「ゆりかご」を設置してから2年間の累計は42人になった。 08年度の25人は新生児から幼児までおり、男児13人、女児12人。2人は治療が必要な状態にあった。手紙などが置かれていたのは11人だった。 親がわかったのは22人で、うち3人は思い直した親に引き取られた。22人のうち地域別で多いのは関東、熊本以外の九州が8人、近畿、中部が各3人だった。母親の年代は20代が最多の14人で、10代も2人いた。 幸山政史・熊本市長は「救われる命があればとの設置時の思いが果たされていると感じる半面、安易な遺棄につながっていないかという懸念もぬぐえない」と話した。
乳幼児を匿名で受け入れる「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」を運営する慈恵病院(熊本市)の蓮田太二理事長は23日、同市内で記者会見し、公表された今年3月までの17件の預け入れの中に、治療が必要な子どもの親が支援制度を知らずに思い悩んで預けたり、同居していた男性が母親の金を持ち逃げしたりしていたケースがあったことを明らかにした。 蓮田理事長は「安易な預け入れはなかった。社会に福祉の仕組みが周知されておらず、関心も薄い」と問題点を指摘した。 また、昨年度病院に寄せられた相談の中から、特別養子縁組につながったケースが27件あったことも明らかにした。相談業務を担当する田尻由貴子看護部長は「全国に相談窓口のネットワークをつくりたい」と話した。
熊本市の慈恵病院が運用する国内初の赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)に3月に入り、いずれも生後2週間以内とみられる男の乳児2人と女の乳児1人の計3人が預けられていたことが31日、分かった。昨年5月の運用開始以来、預けられた子どもは計15人となった。 関係者によると、乳児3人はいずれも健康状態は良好だが、うち1人は障害があるとみられる。身元を示すものは残されていなかった。
昨日の深夜にたまたま観た「NNN ドキュメント」の余韻がまだ残っている。 概要は、熊本の「赤ちゃんポスト」をめぐる賛否両論を紹介しつつ、「捨てられた後」を伝えるものだった。「赤ちゃんポスト」については、捨て子を救うどころか助長する恐れがあるものとして、法的にも、倫理的にも反対・慎重論が多い。育てられないなら作るな、産むなという「大人の分別」は、やはり大切な一線であるとは思う。この産婦人科病院長はしかし、クリスチャンである自らの信条もあって、中絶手術は一度も行ったことがないという。育てられないなら、作るな、産むなという大前提は同じだろうが、それでも宿してしまった命、産んでしまった子に対する「育てられないなら~する」の行動の部分が、規範として異なっている。育てられなくても、授かった命は命。世に送り出して、幸福の道筋をさぐるために最善を尽くす、ということだろう。いかなる段階においても、生殺与奪の
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