史上最も有名なセックス・シンボルとしての「マリリン・モンロー」のイメージの裏には、父親不在の家庭、祖母、母親の精神障害、孤児院と10の家族を転々とした少女時代、養父からの性的虐待、女優になるまでのコール・ガールに近い生活、乱脈な男性関係、10数回にわたる妊娠中絶、アルコール・睡眠薬への依存、度重なる自殺未遂など痛ましい姿があった。人気に比例してマリリンを取りあげた書籍はたくさん書かれているけれど、この本の特徴はマリリンが死の直前の5年間に受けていた精神分析に焦点が当てられているところ。 最初の分析家はアナ・フロイトの友人であり「芸術と精神分析」や「自我の機能としての退行」などで有名なエルンスト・クリスの妻であり、児童分析に関して多くの貢献をしたマリアンネ・クリス。二番目の分析家は精神分析技法に関する教科書で有名なラルフ・グリーンスン 実際にマリリンの遺産の四分の一はハムステッド・子ども心理