脳内には4つのドーパミン経路がある。 ①黒質線条体ドーパミン経路 運動をコントロール。抗精神病薬の副作用のEPSの出現に関与している。 ②中脳辺縁系ドーパミン経路 快感や薬物乱用による多幸感に関与。また精神病の幻覚妄想にも関与している。 ③中脳皮質ドーパミン経路 精神病の陽性、陰性症状および、抗精神病薬の副作用の認知の面の障害に関与している。 ④漏斗下垂体ドーパミン経路 プロラクチンの分泌をコントロールしている。 抗精神病薬の副作用の1つ、高プロラクチン血症は、上記④の漏斗下垂体ドーパミン経路に関係している。この経路では、普通は、ドーパミンはプロラクチン分泌細胞の表面にあるD2受容体に結合しプロラクチンの分泌を抑制する働きをしている。ドーパミンは本来プロラクチン血症にはマイナスに働くのである。この状況下、抗精神病薬で強くD2受容体が遮断されてしまうと、このプロラクチン分泌の抑制が解放されて