マルチシステミックセラピー(MST)は米国サウスカロライナ医科大学のスコット・ヘンゲラー教授(臨床心理学)らが開発した青少年の暴力、破壊、非行、犯罪行動に対する心理学的介入技法。欧米諸国においては児童・思春期,青年期の反社会的行動への介入技法としては最も知られた技法の一つであり、アメリカ心理学会(APA)等の専門的学術誌で効果が科学的に実証されている数少ない技法である。MSTは今までの心理臨床技法とは全く異なる、極めて構造化されたユニークで新しいコミュニティ介入技法である。反社会的行動を持つ青少年の家族に対して集中的に介入し、問題行動に寄与すると考えられる家族内の要因を特定化して、それを変化させるようとする介入技法である。 ヘンゲラー, S.W.、ショーエンワルド, S.K.、ボルディン, C.M.、ローランド,M.D. カニンガム, P.B. 著、吉川和男監訳
■特集 薬物療法はいつまで続けるべきか ●精神病性障害における薬物療法の維持・減量・中止基準 渋谷太志 塩入俊樹 染矢俊幸 統合失調症を中心とした精神病性障害は一般的に完治の困難な再燃性の病態を持つと言われ,維持療法の重要性が示唆されている。その一方で1回のエピソードの後,再燃を起こさず予後の非常に良い症例が存在することや遅発性ジスキネジアといった副作用の問題などから,全ての症例で漫然と薬物療法を継続することには疑問が投げかけられている。本稿では,どのような患者が,どのような維持療法をどの程度の期間受けた後に薬物療法を中止できるのか,また薬物療法を継続する場合にどの程度まで薬物の減量が行えるか,これらに関する報告を調査して考察を加えた。しかしながら,統合失調症の研究においてさえ,長くとも数年の観察しか行えていないものがほとんどであり,統合失調症以外の精神病性障害の研究に関しては有用なデータ
●脳磁場の発生と計測 栗 城 眞 也 神経細胞群の興奮性シナプス活動にともなう細胞内電流の和が脳磁場信号を発生し,それをSQUIDで無侵襲的に計測したものが脳磁図である。脳磁図は主に脳溝内の神経活動を反映し,その範囲が数cm2以下の局在した大脳皮質の活動を代表する。等価的な電流双極子の信号源解析により,感覚反応から高次機能までの脳内神経基盤を推定することができる。 key words :MEG, SQUID, current dipole, neuroimaging ●三次元ベクトル脳磁計と新しい脳磁図解析法 吉 田 佳 一 脳磁図は脳神経活動に起因する微弱な脳磁場を測定し,これから脳神経活動源を特定できる,脳機能診断や脳機能研究に活用され始めている。しかし,従来の装置では,脳活動源を特定するためには,脳活動を微小な電流(電流ダイポール)と仮定し,かつ活動の個数があらかじめ知られている必要
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