1.二度目のボストン 成田空港からシカゴ経由でボストンへ.シカゴでちょっとしたトラブル(これを書いたら紙面におさまりきらないので残念だが割愛する)に見舞われたが,それもよい旅の思い出となった.筆者にとっては,2度目のボストンであった.一度目は,2003年に行動療法促進学会(AABT)に参加したときである.ハーバード大学,マサチューセッツ工科大学,ボストン美術館と学問の雰囲気漂うボストンにはいい印象を持っていた. 2.マインドフルネスと神経生物学的研究 筆者は,今回のWCBCTは,いわゆる第三世代の認知行動療法の中核的要素であるマインドフルネスが,世界の潮流の中にどのように取り入れられているのかを知りたいと思っていた.また,脳科学や認知情報処理による認知行動療法の効果のメカニズムがどの程度明らかにされているのかに興味を持っていた. 学会に先立って行われたワークショップでは,第三世代の