「世界没落体験」という精神科用語は、精神科の教科書では統合失調症のページに記載されている。それはたいてい「妄想気分」の項目で触れられているので、統合失調症の精神症状に深く関係しているのかもしれない。この用語の意味だが、読んで字の如しである。 しかし・・ 僕は「世界没落体験」はあまりにも疾患特異性がないと思うんだな。つまり誰にでも起こりうる。まあ量的な差を言い出すと、ある一定以上の大きなのものこそ、統合失調症的と言えるのかもしれないが。 聖書でもその体験?に似たことが書かれているし、一般社会でも時々目撃する。ある日、患者さんの父親が慌てふためいて来院した。彼は、 ○○までに娘を退院させたい。 と言うんだな。娘とはあの「アルプスのハイジ」の人である。その退院させたいと言う理由が、「とてつもない災害が起こる」から。彼女をどこかに避難させたかったようだ。 一般人にしては荒唐無稽の話だし、本当にその
僕の患者さんで6人兄妹で5人が統合失調症の人がいる(実はこういうパターンをどの病院でも必ず診る)。 その5人中、4人を診ているのだが、診ていない1名は他病院に今も入院中であり、詳しい病状は知らない。少なくとも精神科病院に長期入院しているのでそのレベルだと思っていた。うちの患者さんの4名は全員外来レベルなので、つまり治療がまだうまくいっているのだろう。 不思議なことに、この4名は薬がけっこう違う。1名はリスパダール。1名はプロピタンとリスパダール。1名はプロピタン単剤。あと1名はセレネースとセロクエルである。全員、量は多くはない。実はこれらの処方はもう5年以上前からほとんど変わっていない。 ① アキネトン 0.5㎎ リスパダール 1㎎ セパゾン 2㎎ ② プロピタン 100㎎ リスパダール 1㎎ アキネトン 1㎎ ユーロジン 2㎎ ③ プロピタン 80㎎
一昨年秋、大学病院で「統合失調症」と言われ、薬を飲み始めた神奈川県の中学生A君(14)。ひどい倦怠(けんたい)感に苦しみ、ろれつが回らず、歩くとよろけて倒れた。 「このまま薬を飲み続けたら、どうなりますか」。母親が尋ねると、医師は「100ある能力が70になります」と答えた。 両親は、カウンセラーに紹介された東京都目黒区の「林試(りんし)の森クリニック」を親子で受診した。 院長で児童精神科医の石川憲彦さんは1時間以上かけて話を聞いた。学校でのいじめ、休みもなく野球の練習に没頭する毎日……。 石川さんは、それらが重なり、一時的に心理的な混乱が起きたと判断、さらに統合失調症と診断された絶望や恐怖で「急性ストレス障害」を発症したと診断した。そして「統合失調症は明らかな誤診」と告げた。 A君の場合、大学病院で「暗闇が怖い」「何か見える気がする」などと話したことが、統合失調症という誤診につながった。
統合失調症患者 10代後半過ぎても脳発達の異常が進行 〔米メリーランド州ベセズダ〕 メルボルン大学(オーストラリア・メルボルン)のChristos Pantelis博士らは,カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA,ロサンゼルス)の研究者らと共同研究を行い,「統合失調症は,思春期から若年期にかけて正常な成熟過程の一環として脳でいくつかの細胞間接続が除去される際,正常な発達から外れてしまうことが関与しているかもしれない」とMolecular Psychiatry(2008; オンライン版)に発表した。 発症と同時期に組織損失 Pantelis博士らは,思春期と若年期の統合失調症初発例を同年代の健康人と比較し,この組織損失は両群とも同時に脳内の同じ領域で始まるが,統合失調症患者で喪失率が高く,広い領域に及ぶことを見出した。 今回の知見は,統合失調症に至る脳の発達異常は出生前ないし
第27回 日本医学哲学・倫理学会大会 ご 案 内 会期: 2008年10月25日(土)、26日(日) 会場: 北海道大学 (人文・社会科学総合教育研究棟) 大会長: 蔵田伸雄(北海道大学) 実行委員長:堀井泰明(天使大学) 大会テーマ「医療と持続可能性」 シンポジウムテーマ「薬学と倫理」 実行委員会 蔵田伸雄、堀井泰明、今井道夫、平塚志保、泉澤真紀、藤野昭宏、尾崎恭一 *発表者の方で当日パワーポイントをお使いの方は下記に注意事項がありますので、お読み下さい。 大会ポスター 大会プログラム (10月1日現在 予稿集掲載のものから変更があります) (A会場:W309 B会場:W308 C会場:W409) 10月25日(土) 8:30〜 受付開始 8:50〜8:55 開会式(A会場) 9:00〜11:50 研究発表
我が家の娘はリスパダール2〜3mg服用の時、「好奇心が無くなった」と言いました。 顔つきは虚ろ、集中力は無くなり、好きだった音楽も楽しめない。
統合失調症の患者さんへの精神分析的なアプローチ。時代遅れといわれるかもしれないけれど、いわゆる精神病圏の患者さんたちに対しても精神療法的アプローチが有効であるということは、ぼくも精神病院勤務時代の経験からも実感しているところ。でもちょっとひっかるのは、やっぱり現実的なこと。 松木先生はこのような患者さんにも週4回の標準的な精神分析療法を勧められているけれど、そのような料金をまかなう余裕のある患者さんが果たしてどれだけいるのだろう。現実的には、入院患者さんに対して、診療報酬にはつながらない形で行うところがせいぜいではないだろうか。ちょうど平行して岡野先生の「治療的柔構造」を読んでいて、15分の外来診療時間を確保するのが、5分で患者さんを診察する同僚医師にいかに圧迫するかということを読んでいたから余計気になってしまった。もちろんぼくたち心理職のカウンセリングも医療制度的には直接お金にならないわ
ニュースタート事務局関西のウェブサイトはリニューアルしました。 新しいウェブサイトは、下記よりご覧ください。 http://ns-kansai.org/ 直言曲言 第241回 寛 解 私たちは引きこもり支援活動をやっているので、精神病や精神病の宣告を受けた人と接することが多い。しかし、精神病らしき症状を呈している人に会ったことがない。むしろ、ニュースタート事務局の活動以外で、つまり街角や電車の中などでこの人は精神病ではないかと思ったことがある。奇妙な行動をとる人やぶつぶつと独り言をつぶやいている人である。それが精神病の兆候なのかどうかはわからないけれど、一般の人にとって精神病についての知見や経験などそんなものではないか。だからお医者さんが精神病であると宣告したとするとそれを信じざるを得ない。もちろん私たちが会ったことがあるのは急性的な症状が治まっている時や、病気宣告を受けてからかなり時間が
英国モーズレー研究所のチームとニュージーランドのチーム合同で1972年にニュージーランド南部 Dunedinで開始した出生コホート研究の結果(Paultonら, 2000)が衝撃を与えた。11歳時に児童精神科医の面接で確かめられた精神病症状様体験(psychotic like experience:PLE)が15%の子どもにあり、強く体験していた子ども(約4%)の25%が26歳時に統合失調症様障害に罹患し(オッヅ比> 16)、70%は26歳時に精神病症状を少なくとも1つ体験しており、90%は就業困難などの適応困難を抱えていたのである。PLEは15年後の精神病罹患のみでなく、精神保健全体の取り組みの有効な標識である可能性が示されたのである。http://209.85.175.104/search?q=cache:qVUswbSPYr0J:www.jamh.gr.jp/kokoro/128_k
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く