それが当たり前だと思っていました。 そう言われて育ち、大人になりました。 幼い子どもたちにも伝えてきました。 「魚の骨がのどに刺さったら、ごはんをたくさん飲み込めばいい」って。 でも、そうじゃなかったんです。(ネットワーク報道部記者 野田綾、國仲真一郎)
アレルギー患者が、気をつけなければいけないアナフィラキシーショック。実は特定のアレルゲンだけでなく、異なる抗原でも起こりうるという。これは「交差反応」と呼ばれる症状。そのリスクは意外なところに潜んでいる。 ハチは2回目が危ない、とは限らない 「殺人アリ上陸!」――。 2017年、神戸港で荷揚げされたコンテナからヒアリが発見され、日本中が大騒ぎとなった。 ヒアリ(火蟻)は、その名の通り、刺されると火傷したような熱感を伴った痛みを感じる恐ろしい生物。毒性はスズメバチと同程度に強く、北米では毎年100人以上が死亡している。 連日、マスコミの報道では、毒性の恐ろしさが強調されていたが、対応にあたった神戸市立医療センター中央市民病院・救命救急センターの有吉孝一医師は、「怖いのはむしろ、毒性の強さよりも、アレルギーの交差反応によるアナフィラキシーショック(急性アレルギー中毒)でした」と語る。 「交差反
対人関係を築くことが苦手な「自閉症スペクトラム障害」の患者に、愛情を高めるホルモンとして知られる「オキシトシン」を投与すると症状が改善する傾向を示したと、浜松医科大学などの研究グループが公表し、「薬の開発につながる成果だ」としています。 静岡県浜松市にある浜松医科大学などの研究グループは、愛情を高めるホルモンとして知られる「オキシトシン」を患者に6週間投与してコミュニケーション能力の指標の1つである会話中の喜びや驚きなどの表情の豊かさを画像解析で数値化し、投与していない患者との差を分析しました。 その結果、オキシトシンを投与した患者は、投与されていない患者よりも表情の豊かさの値が0.41から0.53高く、投与を終えて2週間経過しても1.24高くなったということです。
日本人に胃がんが多い理由はピロリ菌に感染している人が多いからです。ピロリ菌は胃がんだけでなく、胃潰瘍(いかいよう)の原因にもなります。ピロリ菌が発見されたきっかけは、胃炎や胃潰瘍でした。 ピロリ菌が発見されたのは1982年と、わりと最近です。40年以上も前なのに最近というのは、病気の原因となる主な細菌が発見されたのが19世紀だからです。たとえば、結核菌の発見は1882年、コレラ菌は1884年、赤痢菌は1897年です。主だった感染症の原因となる細菌は細菌学の成立して以降、次々と発見されました。細菌が原因ではない感染症はウイルスが原因でした。 胃炎や胃潰瘍は感染症だとは考えられていませんでした。ピロリ菌の発見以前はストレスや生活習慣が胃潰瘍の主な原因だとみなされていたのです。胃粘膜のような酸性環境で生きられる細菌なんているはずがない、という思い込みもあったようです。いまでは、ピロリ菌が酸性環境
腎臓の元になる前駆細胞から尿を排出する機能を持つ腎臓を再生させることに、東京慈恵医大の横尾隆教授らのグループが成功した。複雑な構造を持つ腎臓は再生が難しい臓器のひとつ。研究は末期の慢性腎不全患者の治療に応用できる可能性がある。23日、英オンライン科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に発表された。 腎臓の前駆細胞が腎臓に成長するには、ニッチと呼ばれる育つ場所が必要とされる。横尾教授らは、ラットの腎臓の前駆細胞をマウスの子のニッチに注入し、マウス自身の前駆細胞は薬剤で除去。マウスのニッチの中でラットの前駆細胞が約4週間かけて成長、腎臓のもっとも大事な働きである尿排出機能も獲得した。 横尾教授らは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から腎臓を再生するまでの過程を(1)iPS細胞から腎臓の前駆細胞を作る(2)前駆細胞から再生腎臓を作る(3)尿を排出する経路を樹立-の3段階に分け、今回は(2)の部分
動物の体内で人の臓器を作る基礎研究について検討してきた文部科学省の専門委員会は24日、薬の開発や病気の原因解明などに利用できる可能性があるとして容認することを大筋で了承した。文科省は今後、関連指針の改正案を示し、来年度中に改正する方針だ。 生命科学分野の基本方針を決める政府の生命倫理専門調査会は2013年、動物の体内で人の臓器を作る基礎研究を容認する見解をまとめた。その後、文科省の委員会が具体的な指針改正にむけて、倫理面の課題などを検討してきた。 対象となる研究では、動物の受精卵が成長した段階の胚(はい)に、人の細胞から作ったiPS細胞などを注入した「動物性集合胚」を作る。例えば、膵臓(すいぞう)ができないようにしたブタの胚に人のiPS細胞を注入し、ブタの子宮に移植すると、人の膵臓を持ったブタの子どもができる。 この日の委員会では、最新の…
(CNN) 米国の研究チームが3Dプリンターで作製した人工卵巣をメスのマウスに移植して受精させ、出産させることに成功したとして、16日の科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。いずれは人の不妊治療への応用が期待されている。 米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学校などの研究チームは、99%水分素材のヒドロゲルと少量のポリマーを使って、3Dプリンターで人工卵巣を作製。卵子の元となる卵胞をこの人工卵巣に入れて、卵巣を摘出されたマウスに移植した。 卵胞は人工卵巣の中で育ち、やがて排卵に成功。マウスがオスと交尾して受精卵ができ、少なくとも2匹の子どもが生まれた。 研究チームのテリーザ・ウッドラフ氏はこの成果を「再生医療のための生物工学の聖杯」と位置付け、がん治療のために妊娠できなくなった女性の生殖機能を復活させる手段になると期待する。 実用化のめどは立っていないものの、5年以内に人間に
【ワシントン=三井誠】人間のiPS細胞(人工多能性幹細胞)をブタの受精卵などに入れ、人間の細胞が入ったブタの胎児を作ることに初めて成功したとする研究成果を、米カリフォルニア州のソーク研究所などのチームが発表した。 ブタの体内で人間の臓器を作り、移植する医療の実現につながる成果だが、倫理的な問題もはらんでおり、議論を呼びそうだ。論文は26日の米科学誌「セル」に掲載される。 研究チームは、人間のiPS細胞を注入したブタの受精卵など1466個を、41匹のブタの子宮に戻し、3~4週間成長させた。このうち186個が成長して胎児となり、67匹の胎児で人間の細胞が見つかった。ただし研究者によると、数はブタの細胞10万個あたり人間の細胞1個以下で、ごく少ないという。
水俣病の原因として知られるメチル水銀中毒のメカニズムを、ラットを使った実験で解明したと、新潟大学の研究グループが1月25日に発表した。新しい治療法の開発につながる可能性があるという。 メチル水銀中毒は、50~60年代に発生した水俣病、新潟水俣病の原因として知られている。小脳や後頭葉などに障害を引き起こし、体がふらついたり、視野が狭まったりなどの後遺症をもらたすが、なぜ小脳などの部位に障害が起こるのか、詳しい仕組みは分かっていなかった。 研究チームは、水俣病の重症患者の脳内にむくみや出血が見られることに注目。ラットにメチル水銀を投与したところ、小脳や後頭葉で「VEGF」と呼ばれるタンパク質が異常に増加していることを確認した。VEGFが血管の壁を破壊し、血管内の物質が脳組織に漏れ出すことで、障害が生じることを突き止めたという。 メチル水銀中毒を患ったラットに、VEGFの作用を抑える「抗VEGF
体に「心臓」が無い状態で555日間生きた男性、ついに心臓移植を受ける 心臓が止まることは通常、死を意味します。 ところが体に心臓がない状態で生きてきた男性が、アメリカ・ミシガン州にいます。 なんと人工の心臓装置をリュックに入れて24時間、それとともに移動し、生活してきたのです。 Man lives 555 days with no heart in his body while thriving on a heart machine he carried in a backpack スタン・ラーキンさん(25歳)は10代のとき、弟のドミニクさんとともに遺伝性の拡張型心筋症と診断を受けました。 突然死などのリスクがある病気で、治療は基本的に心臓移植しかなく、ドナーが現れるまで何年も待つ状況でした。 数年後には2人とも心臓を除去する必要に迫られました。ドナーが現れるまで人工の心臓装置を導入する
がん細胞の近くにある血管では、一時的に裂け目が出来て、血管の壁が開いたり閉じたりする特殊な現象が起きていることを東京大学のグループが世界で初めて突き止めました。この裂け目を利用すれば、がん細胞に直接、抗がん剤を届ける新たな治療法の開発につながる可能性があるとしています。 グループでは、マウスに赤色に光る蛍光物質を注射し、がん細胞周辺の血管を詳しく観察しました。 その結果、血管から一時的に蛍光物質が漏れ出すのが確認され、さらに調べたところ、血管の壁に裂け目が出来て開いたり閉じたりする現象が起きていることが分かったということです。 この現象は、がん細胞が、血液中の栄養を吸収し、大きくなるための仕組みと推測されるということですが、グループでは、この裂け目を利用すれば、これまで抗がん剤が届きにくかったがん細胞に直接、抗がん剤を届ける新たな治療法の開発につながる可能性があるとしています。 松本助教は
細胞を扱う遺伝子学者。米コネティカット大学医学センターにて(2010年8月27日撮影、資料写真)。(c)AFP/Getty Images/Spencer Platt 【11月6日 AFP】英ロンドン(London)のグレート・オーモンド・ストリート病院(GOSH)は5日、白血病を患う1歳女児に対し遺伝子操作した細胞を使ったがん治療を世界で初めて行い、成功したと発表した。 この女児レイラ・リチャーズ(Layla Richards)ちゃんは、生後わずか14週間で小児がんに多い急性リンパ性白血病と診断された。抗がん剤治療や骨髄移植が試みられたが、再発してしまい、レイラちゃんの両親は医師から終末期医療も考慮するようにと告げられていた。 そこへGOSHから新しい治療法の臨床試験を受けないかとの打診があった。 この治療法では、健康なドナーから提供された白血球とT細胞を操作し、薬剤耐性のある白血病細胞を
SF小説のような話がもう現実に! スコットランド、エディンバラ大学の研究者らが世界ではじめて完全な胸腺を含む臓器を動物の体内で作ることに成功しました(この論文はNature Cell Biologyに発表されました)。 胸腺は比較的単純な構造をしていますが、免疫に関わり感染防御に働くとても重要な組織です。今回は構造だけでなく機能としても完全な胸腺を作ったということなので、まさに再生医療分野でのブレイクスルーです。 気になるのはヒトへの応用ですが、人間の場合、移植する場合の拒絶反応や細胞の癌化などが課題で、残念ながらすぐに実用化というわけにはいかないそう。 ただ一昔前だと未来の話とされていたものがもう実現しているので、今後5~10年でもかなり進展しそうな気がします。自分が生きている間には…なんて期待しちゃいますね。 image credit: SPL source: Nature via B
病理医ヤンデル @Dr_yandel 【病理医は何をする医者か(1)】 「病気」はいろいろな分類ができるのだが、「流れが滞ることによる病気」と「そこにあるものがおかしくなる病気」とわけることができる 2014-05-08 08:52:28 病理医ヤンデル @Dr_yandel 【病理医は何をする医者か(2)】 「流れが滞る」方は、たとえば心筋梗塞とか尿管結石、腸閉塞などなど「本来は流れていなければいけないところ」がつまったり流れが悪くなったりすることで体の調子がおかしくなる 多くの場合、医療者は「流れを正常に戻す」ことを第一義としなければいけない 2014-05-08 08:53:18 病理医ヤンデル @Dr_yandel 【病理医は何をする医者か(3)】 心臓の血管(冠動脈)が詰まったとき「なぜ詰まったんだろう?」をチンタラ診断していたらそのまま患者さんは死んでしまうかもしれない 診断の
ニュージーランドのTaranaki地方で絵に描いたような「毒をもって毒を制す」ニュースが飛び込んできました。 この事件は2012年11月のある日、Taranakiに住む65才の男性Denis Duthleさんはウォッカを飲んだことで視力を失ってしまいました。そしてその視力を戻したのがウイスキーだったんです。 いったいどうしてウォッカで視力を失ったのか、またどうしてウイスキーで視力を戻すことができたのでしょう? なぜウォッカで視力を失ったのか 2012年11月のある日、Denis Duthleさんは両親の結婚50周年記念パーティーでウォッカを昼間から飲んでいたそうです。 数杯飲んでほろ酔いになって寝室に向かった彼はちょうど部屋に入るのと同じくらいのタイミングで急に視界が暗くなってきたことに気がつきました。 最初は「パーティーが盛り上がりすぎて日が落ちたことに気がつかなかったのかもしれない」と
アルツハイマー病など認知症の原因物質の一つとみられるたんぱく質「タウ」が、患者の脳内に蓄積した様子を可視化することに成功したと、放射線医学総合研究所(千葉市)のチームが発表した。 発症の早期発見や症状進行度の評価への応用が期待できるという。米科学誌ニューロン電子版に19日、掲載される。 樋口真人(まこと)チームリーダー(神経科学)らのチームは、タウと結び付いて弱い放射線を出す、特殊な化学物質を開発。これを注射して、放射線を体外から測定すると、タウの蓄積した場所が浮かび上がった。 この技術で検査したところ、アルツハイマー病の患者は、記憶をつかさどる「海馬」という領域にタウが蓄積していた。症状が進行した患者ほど、脳内の広い領域でタウが増加していた。アルツハイマー病とは別の認知症の患者も、タウが脳内に蓄積していた。
米国でリンパ腫の治療のための骨髄移植を受けた男性患者2人の体内から、感染していたエイズウイルス(HIV)が消滅したようだと、ハーバード大の研究者が3日、マレーシアの首都クアラルンプールで開かれた国際エイズ会議で報告した。ロイター通信などが報じた。HIVが完全に消滅したかは確認できていないが、1人目の患者は、HIVを抑制するための抗レトロウイルス薬の投与を4カ月近く、2人目は2カ月近く中断しているという。
欧医療機器ソーリングループ(Soring Group)のペースメーカー(2010年6月10日撮影、本文とは関係ありません)。(c)AFP/ERIC PIERMONT 【12月17日 AFP】特定の遺伝子を心細胞に入れると、その細胞が心臓の拍動を調節する「ペースメーカー」の役割を果たすようになることをラットを使った実験で証明したという米医学チームの研究論文が16日、科学誌「Nature Biotechology」に掲載された。 現在は薬やペースメーカーに頼っている不整脈の生物学的治療に向けた成果だと研究チームは説明している。 心臓はおよそ100億個の細胞からできているが、心臓が一定のリズムで血液を送り出すように鼓動を調節する電気信号を発する「ペースメーカー細胞」は1万にも満たない。 米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)シダーズシナイ(Cedars-
たった一つの遺伝子を人間の皮膚細胞に送り込むだけで、血液細胞の前段階である細胞に変えることに、カナダ・マクマスター大の研究チームが成功した。 現在は皮膚細胞などに3〜4個の遺伝子を導入してiPS細胞(新型万能細胞)を作製し、様々な細胞に変化させる研究が世界各国で進められているが、今回の成果はiPS細胞を使わずに血液細胞を簡単に作る技術につながる可能性がある。8日の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。 研究チームは、iPS細胞を作る時に使う遺伝子のうち、「OCT4」という遺伝子のみを皮膚細胞に導入した。その結果、血液細胞になる寸前の「血液前駆細胞」に変化した。この細胞に変化を促す特殊なたんぱく質を加えて培養し、白血球や赤血球などの血液細胞になることも確認した。
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