特定秘密保護法の成立直後には説明が足りなかったと反省した安倍晋三首相だが、今国会での議論では、野党の質問をかわす姿勢が目立つ。 「国民の生命、財産、国益を守るために情報保全諮問会議で真摯(しんし)な議論が行われている」。首相は五日の参院予算委員会で、民主党の羽田雄一郎参院幹事長が秘密保護法の廃止や抜本改正を迫ったのに対し、諮問会議の議論に委ねる考えを示した。民主党提出の情報公開法改正案などの成立を求めて羽田氏が食い下がっても、「政党間で議論してほしい」と述べただけだった。 特定秘密保護法の成立を強行した昨年十二月六日の翌日、国会周辺の反対運動が縮小したことに首相は「嵐が過ぎ去った感じだ」と自民党議員に述べた。しかし、九日に出た世論調査で、批判の高まりから内閣支持率が急落。同日夜の記者会見では「もっと丁寧に説明すべきだったと反省している」と低姿勢にならざるを得なかった。