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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (25)

  • 完璧過ぎる結婚式がニッポンをダメにする

    今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [6月24日号掲載] 日の6月はあまり好きではない。毎年この時期には、少し落ち着かない気分になる。梅雨がやって来るからではない。むしろ雨が多いイギリスの故郷を思い出すし、満開のアジサイに小雨が降り注ぐ光景はこの上なく日的で美しい。 私が6月が苦手なのは、結婚式シーズンだから。日の伝統的な「欧米式」結婚式ほど耐え難いものはない。 この時期はいつも、郵便受けにこじゃれた封筒が入ってないかとビクビクする。子供がめでたく結婚することになったので、式に来てほしいという内容のアレだ。これが届いたら、もう逃げられない! 日結婚式が耐え難い要因は複数ある。まずは身体的苦痛。日の夏に黒いスーツを着るのは拷問に等しい。次にキリスト教を装った結婚式に加わるという信仰面での苦痛。私自身、多くのカップルに祝福を与える「週末神父」をやらないかとスカウトされたこ

    完璧過ぎる結婚式がニッポンをダメにする
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    hyolee2 2014/07/10
  • カジノ合法化より問題? 日本人のギャンブル好き

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔4月1日号掲載〕 日で今、国会議員がこぞって取り組んでいるのに国民の間ではまったく話題になっていない課題──それはカジノだ。カジノ解禁を目指す国会の「カジノ族」は、数では最大の集団になっている。一部を除けば、日政治家は次第にカジノ合法化は正しいことだと考えるようになっている。超保守派の下村博文文部科学相でさえ、お台場にカジノを構えたいと発言した。 自民党などが昨年提出した「カジノ法案」が6月までに成立すると予測して、ロビー活動も熱を帯びている。2月に東京で開かれたカジノに関する国際会議では、複数の外国のカジノ運営会社が解禁後をにらんだ壮大な構想を披露した。日はギャンブル天国マカオに次ぐ可能性を秘めた大市場として期待されている。 日側の期待はそれ以上だ。エンターテインメント業界は、ラスベガスのようなショーでアジア中から観光客を引き付けることを

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    hyolee2 2014/04/09
    チンチロリン
  • 世界に誇る地下鉄の一元化に大賛成!

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔3月4日号掲載〕 東京の地下鉄には、どんな都市も嫉妬するだろう。ほとんどの駅は私の家のキッチンよりきれいだし、車内の床はピクニックができるほど清潔。運行ダイヤはスイス製の時計並みに正確だが、ちゃんと人間味もある。 電車が駅を出る際は、乗客が車内に納まったことを駅員が確認して車掌に伝える。改札には必ず礼儀正しく親切な駅員がいる。乗客の安全は最終的に、機械ではなく人の手に委ねられている。 機械まで礼儀正しい。切符を買うたび、発券機のタッチパネルに現れるキャラクターが「ありがとうございます」と頭を下げる。電子メールすら人に代わって機械が自動発信する現代社会で、人間味あふれる地下鉄は新鮮だ。 九段下駅など、小さな「図書館」が設置された場所もある。乗客が読み終わったを構内の棚に置いていき、別の乗客が借りていく。知の共有が大切にされてきた日ならではの伝統だ

  • 日本の学校教育に足りないのは万年筆だ

    今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [3月25日号掲載] 娘が小学校を卒業するお祝いに、万年筆を贈ることにした──友人からある日、そう聞かされた。なんて素晴らしい選択だろう。彼女の娘の将来の夢は、総理大臣になること。世界の指導者は条約に署名するのにボールペンやシャープペンシルを使ったりしない。早くから練習しておくに越したことはないではないか! とはいえ友人いわく、万年筆はいつでも使えるわけではない。彼女の娘も、授業や宿題に使えるのはシャープペンシルだけだ。なんてもったいない。万年筆を教育現場に取り入れれば、産業界が直面する革新性の行き詰まりから出生率の低下まで、日の差し迫った社会問題の解決につながるかもしれないのに。 私はよく、初めて日に来たときの最大のカルチャーショックは何だったかと聞かれる。べ物?お辞儀? を脱ぐこと? いや、実は10代後半の若者が授業で鉛筆を使ってい

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    hyolee2 2014/03/31
    ボールペンだ。ボールペン!
  • 大人になりたくない!?日本人と年齢の不思議

    今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [1月28日号掲載] 日人は年齢に特別な関心があるらしい──初めて日人と知り合ったとき、そんな印象を感じる欧米人は少なくない。欧米では、相手に年齢を聞くのは時として失礼な行為と見なされるし、そもそも職業や出身地、興味の対象、価値観などと違って、どうでもいいことだと思われている。だから、年齢を重視する日人がよく理解できない。 とはいえ、考えてみれば年齢を重視する日の慣習は実に理にかなっている。欧米では普通、会社での地位は年齢ではなく能力や実績に基づいて決まる。しかしこうした評価は相対的なものであり、どうにでも解釈できる。そのため意見の相違や対立、混乱が生じかねない。 一方、日では年齢はその人の地位を知る重要な手掛かりになる。年齢は誰も異議を唱えられない客観的データだ。それに基づいて地位を定めれば、欧米のやり方で生じるような対立を避けられ

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    hyolee2 2014/02/06
  • テロリストを英雄に仕立てる韓国の幼児的ナショナリズム

    安重根という名前を知っている日人はほとんどいないと思うが、韓国では「抗日闘争の英雄」である。といっても彼は建設的な事業をしたわけではなく、1909年に日の初代韓国統監だった伊藤博文を暗殺したテロリストである。 ところが韓国の朴槿恵大統領は、彼が伊藤を暗殺した中国のハルビン駅に記念碑を建設することを中国側に提案し、それが「順調に進んでいる」と表明した。テロリストを英雄として賞賛することも先進国では考えられないが、暗殺事件から100年以上たって記念碑を建てようと他国に提案する大統領も普通ではない。 この一つの原因は、韓国があおっている反日感情の歴史的根拠がないことにある。韓国は1910年の日韓併合から終戦までの時期を「日帝36年」として批判しているが、その時期に日の朝鮮総督府が韓国人を虐待した記録はほとんどない。一時は「強制連行」や「従軍慰安婦」などを持ち出したが、それも事実と異なると判

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    hyolee2 2013/11/19
    閔妃暗殺犯はその後どうなったか知らないノビー。
  • 円安になっても日本の貿易赤字は増え続ける

    ロイターの予想によると、まもなく発表される8月の貿易収支は約1兆1000億円の赤字になる見通しで、これは昨年同月を43%も上回る。貿易赤字は14ヶ月連続で、1979年の第2次石油危機以来の史上最長記録と並ぶが、今後もずっと続くとみられている。 通貨が急に安くなったときは「Jカーブ効果」といって、あらかじめドル建てで契約していた輸入額が(円ベースで)増える傾向があるが、それが14ヶ月も続くことはありえないので、これは一時的な現象ではない。 民間の予測(中央値)をみると、輸出が前年比14.5%増える一方で、輸入が18.5%増える。株式市場は「円安→貿易黒字」という連想で高値を続けているが、実は輸出より輸入のほうが増え方が大きいのだ。これは日の円建て輸出額よりドル建て輸入額のほうがずっと多いためで、図のように円安は貿易赤字を増やす。 しかしドル建ての輸出価格が下がると、国際競争力が上がるので輸

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    hyolee2 2013/09/21
  • 「黒田バズーカ」は空砲だった

    4月4日に黒田東彦氏が日銀総裁に就任し、「量的・質的金融緩和」を打ち出して5ヶ月になる。彼の目標は「マネタリーベース(日銀券の量)を2年で2倍にして、2年後に2%のインフレ目標」を実現することだから、その1/4近い期間がたったわけだ。そろそろアベノミクスの目玉である「異次元の金融政策」の効果が出始めてもいいころだが、どうだろうか? 8月末に発表された7月の消費者物価指数(CPI)は0.7%プラスになったが、この最大の原因は原油価格と電気代が8%も上がったことで、これを除いた「コアコアCPI」は-0.1%と、まだデフレだ。この調子で、あと1年半で2%のインフレ目標を実現するのは、かなり高いハードルである。 黒田氏の政策の目玉は、彼がインパクトのある緩和を発表して「インフレ予想」を起こすことだった。このため、緩和政策の発表では図が多用され、「2年でマネタリーベースを2倍の270兆円にする」とい

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    hyolee2 2013/09/11
  • 「お城」の文化交流こそ日中関係改善の切り札だ

    今週のコラムニスト:李小牧 〔8月27日号掲載〕 今年3月、私は静岡県熱海市を訪れた。熱海といえば温泉、そして知る人ぞ知る秘宝館。中国紙コラムのネタ探しに「性の案内人」が「性の博物館」を訪れたのだが(笑)、「秘宝」の数々よりも、歌舞伎町案内人の目は隣にある熱海城内のある展示物にクギ付けになった。 熱海城(といっても歴史的建造物でなく観光施設だ)の中には「日城郭資料館」がある。日各地の城郭を地図と模型で展示しているのだが、私にとっては隣のエッチな秘宝館より、こちらのほうがずっとそそられた。 私は日のお城が大好きだ。城は日全国でだいたい100カ所あるといわれているが、既に20カ所は回っている。一番好きなのは、中国的な建築様式が気に入って既に3回も訪れている沖縄・那覇の首里城。最近も熊城や大阪城を見に行った。白鷺城と呼ばれる姫路城も、現在修理中で外壁に覆われているにもかかわらず見学に押

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    hyolee2 2013/09/10
  • 「建築のジェノサイド」に気付かない日本

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔9月3日号掲載〕 鎌倉を世界文化遺産に登録しないように──ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)がそう勧告したことを受け、松尾崇・鎌倉市長と黒岩祐治・神奈川県知事は会見で無念さをにじませた。 鎌倉市当局は中世の都市としての「物的証拠が不十分」と指摘されたことを認め、私にこう説明した。人類の遺産として保護する価値があると世界に認めてほしいのは、鎌倉を取り囲む山々とその麓に点在する寺院や遺跡だ。そこに日独自のサムライ文化があると自分たちは考えているが、イコモスにはその意図が十分伝わらず、「武家の古都」とする根拠が不十分だと判断された、と。 黒岩知事は今回の勧告に「目の前が真っ暗になるような衝撃を受けた」と語った。こんな妥当な判断に衝撃を受けているようでは、知事の体が心配になる。そもそも県の誇る珠玉・鎌倉がじわじわ破壊さ

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    hyolee2 2013/09/10
  • 自律走行車でもドライブ中のスマホは禁止?

    ドライバーなしに運転する「自律走行車」が、現実的なものになっている。グーグルが開発した自走車グーグルカーはもっともよく知られているだろうが、従来の自動車メーカーもこぞって自走車を開発中だ。 今週、スタンフォード大学でこの分野の開発者、研究者、行政関係者らが集まって、自走車のための法整備などを話し合う会議が開かれた。自走車と聞いても、いったいわれわれの生活にどう浸透してくるのか、いまひとつ実感がつかめなかったのだが、いろいろな側面が学べて随分ためになった。いくつか挙げてみよう。 まず、自走車といってもいくつかのレベルに分かれている。レベル0から4までの5段階である。 レベル0は、運転に際してドライバーがすべてを行うという、まったく自動化がされていない車。そして最高のレベル4は、運転、状況のモニタリングなどが、高速、低速などすべての運転モードにおいて自律的であること。その中間のレベルは、運転モ

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    hyolee2 2013/07/21
  • 「何でも非公開」の中国は東京都庁に学びなさい!

    今週のコラムニスト:李小牧 〔6月4日号掲載〕 先日、旧友と再会するため18年ぶりに重慶市を訪れた。 重慶は長江(揚子江)上流にある中国最大の都市だ。人口は北京や上海より多い2900万人。日人には、昨年スキャンダルで世界を騒がせた中国共産党政治家、薄煕来がトップを務めた街と言ったほうが分かりやすいかもしれない。 95年以来の訪問で驚いたのは、街の発展ぶりだ。長江のほとりの地味な地方都市だったが、細長いビルが立ち並ぶ香港のような近代都市に生まれ変わっていた。薄煕来は汚職だけでなく、歌舞伎町案内人も顔負けの派手な女性関係が取り沙汰され失脚した。でも街がこれほど発展しているなら、その政治手腕は捨てたものではない。 その薄煕来が勤務していた共産党重慶市委員会は、大きくうねる長江に面した深い緑の中にある。建物そのものは、国民党政権時代にあの蒋介石が執務していた歴史あるビルだ。実は18年前に重慶に

  • 終電なんか怖くない! 「眠らない東京」大作戦

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 〔5月28日号掲載〕 東京で最悪なこと。それは、酔っぱらいながら猛ダッシュで駅に着いたら、アナウンスが流れて照明が消え、大きなシャッターがガラガラと下りてくること。悲しくて、腹立たしくて、おカネが掛かる夜。私の乗るはずだった終電が新宿駅を出発した瞬間、シンデレラさながら黄金の馬車はカボチャに戻る。 すると昼間の東京ではいとも簡単にできることができなくなり、誰もが途方に暮れる──家に帰れない! 駅員に懇願しても、ネットで検索しても無駄だ。私も試したことはある。終電は文字どおり「最終」の電車なのだ。 だから、東京都の猪瀬直樹知事が都営交通の終夜運行を考えているというニュースを聞いたとき、私は跳び上がって喜んだ。もう大慌てで家に帰らなくても、タクシー代という名の罰金を払わなくてもいい。終電そのものがなくなるのだ。腕時計も着けなくていい。 世界の大都市の多く

  • 日本の女性たちよ「女子マネ」を卒業しよう

    今週のコラムニスト:クォン・ヨンソク [3月26日号掲載] 韓国で朴槿恵(パク・クンヘ)政権が格的に始動した。北朝鮮はこれまでにない強気の姿勢で新政権の門出を揺さぶっている。まるでミリタリー文化に染まったマッチョな男たちが、女性大統領の機先を制しようと「脅し」をかけているようにも見える。 今回の大統領選で画期的だったのは、テレビ討論に参加した3人の候補のうち2人が女性だったことだ。このうち野党・統合進歩党の李正姫(イ・ジョンヒ)候補が朴に猛攻撃を仕掛けたことが、結果的に保守層の結束を促したと言われている。実際、60代の僕の義母は生まれて初めて大統領選の投票に行ったそうだが、その理由は李の「無礼さ」が許せず「かわいそうな」朴を応援するためだった。 このように朴政権の誕生は、女性が歴史を動かす象徴的な事件だった。それは「めんどりが鳴けば家門が滅びる」と言われるような男尊女卑の考えが根強い韓国

  • 日本の魅力が詰まった阿波踊りを世界に

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔11月28日号掲載〕 ヨーロッパから見て、日は退屈で単調な国だというイメージはいまだに根強い。しかしそれを一掃する方法をついに見つけた──阿波踊りだ。 私と阿波踊りとの出会いは偶然だった。10年前に電車で東京の高円寺駅を通ったときのこと。私は信じ難いほど素晴らしいものを発見し、感動に打ち震えた。 阿波踊りは人気がある上に、とても洗練されている。高円寺の祭りは毎年1万人、発祥の地である徳島では10万人が参加する。多くの人が番に向けて、毎日のように笛や太鼓、三味線、そしてもちろん踊りの練習に励む。 阿波踊りは日のアイデンティティーを何よりも明快に物語る。スカイツリーはドバイやサンフランシスコに立っていてもおかしくないが、阿波踊りは日にしかない。リオのカーニバルに次ぐ世界屈指の「ミュージカルショー」なのに、海外でほとんど知られていないことが不思議な

  • 野田政権はなぜ敦賀原発を「事後法」で廃炉にしようと急ぐのか

    野田首相は13日、日原子力発電の敦賀原発(福井県)2号機について再稼働を認めない方針を明らかにし、「稼働しないと収益がなくなるので、事業者の判断で廃炉にすることになると思う」と述べた。これは原子力規制委員会が10日に開いた会合で「敦賀2号機の建屋の直下に活断層がある可能性が高い」と指摘したのを受けたものだ。 規制委の田中俊一委員長も、敦賀について「社会的な関心が高く、専門家会議に早急に報告をまとめてもらい、委員会の判断を検討したい」と述べた。日原電は「敦賀原発の下の断層は活断層ではない」という見解を出して調査を続行しているが、田中氏は「事業者は活断層がないという結論を出そうとしているので、彼らの調査の終結を待つ必要はない」と述べた。 このように日原電の言い分も聞かないで、規制委が結論を急ぐのはなぜだろうか。日原電は、規制委に対して敦賀原発についての質問状を出し、「科学的根拠を含めた

  • 日韓関係をこじらせた「河野談話」の訂正が必要だ

    韓国の李明博大統領が突然、竹島を訪問したことで、日韓関係がにわかに緊迫してきた。韓国政府は野田首相からの親書を返送し、日政府は韓国と結んでいる通貨スワップ協定(緊急融資の与信枠の設定)を10月で打ち切る方針を示唆した。小さな島の領有権をめぐってここまでもめる背景には、韓国の根深い「歴史問題」がある。 李大統領もいうように竹島の領有権は筋ではなく、彼のねらいはいわゆる従軍慰安婦の問題で日の譲歩を迫ることだ。昨年末の訪日でも、日韓首脳会談の半分以上が慰安婦に費やされた。これは昨年8月に韓国の憲法裁判所が「慰安婦の賠償請求権について韓国政府が何の措置も講じなかったのは憲法に違反する」という判決を出したことがきっかけだ。 慰安婦問題は、1965年の日韓基条約で賠償の対象になっていないが、1983年に吉田清治という元軍人が「済州島から慰安婦を拉致した」という証言を出版して騒ぎが始まった。これ

  • 「親日」か「反日」かでは語れない領土問題

    香港人活動家の尖閣上陸で始まり、19日の日曜日には中国各地での反日デモにまで発展した騒ぎに、「これからどうなるのだろう」と感じている日人は少なくない。わたし個人は逆に中国人の方が泰然としているという気がしている。というのも中国人はある意味、単純明確に「領土問題」としてこの事件をとらえているのに対して、逆に日側には見えていない点があまりにも多く、その状態で解読しようとすればするほどわからなくなり不安に結びつく、つまり「知らないこと」が猜疑を生んで怖れや戸惑いに結びついているように見える。 今回まず明らかになった「不明点」は、日社会には尖閣(中国では「釣魚島」、台湾や香港では「釣魚台」と呼ぶ。稿では中国側視点を紹介する場合は「釣魚島」で統一する)を巡る領土紛争についての認識に大きな誤解があることだ。 活動家の上陸が伝えられた瞬間から、ツイッターなどでは「反日」という言葉が飛び交い出した

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    hyolee2 2012/08/20
  • 「留守児童」たち

    先日、「南方週末」紙上のこんな記事が目に留まった。 「中国の農村における『留守児童』は、政府の統計によると5800万人。そのうち苦労しても大学に上がれるのは少数だ。2012年4月16日の『南方都市報』の報道によると、都市育ちの学生が重点大学(注:政府の重点支援校)に入学するチャンスは農村育ちの3.1倍、一般大学でもその入学率は農村育ちの子供たちの1.4倍という。人気も社会的位置づけも高い大学になればなるほど、農村子女には敷居が高い。我々が毎日顔を合わせている学生の『留守児童』率は高めだが、2010年から彼らにアンケート調査をするのをやめた。彼らの自尊心に影響するからだ」 「留守児童」というのは、農村で両親が他の街へ出稼ぎに行き、祖父母や親戚のもとに預けられたまま育つ子供のこと。親が子供を連れて行かないのは、まず仕事が忙しくて面倒を見きれないため。次に都市での生活は出費がかさみ、子供のもろも

    hyolee2
    hyolee2 2012/07/23
    中国国外への出稼ぎもある。
  • 外資による「乗っ取り」は日本企業が立ち直るチャンス

    今年3月、台湾の鴻海精密工業がシャープの株式の9.9%を保有して筆頭株主となった。鴻海グループは中国土に多くの工場をもつEMS(受託生産サービス)大手で、アップルのiPhoneiPadを製造する「フォックスコン」のブランドで知られている。これは形の上では一部出資だが、シャープの中核事業である液晶を生産する子会社シャープディスプレイプロダクトに46.5%を出資し、実質的に経営権を握る。 しかし両社の業務提携は、なかなか進展しない。鴻海の郭台銘会長が「シャープの意思決定は遅い」と批判する発言が報じられ、「そのうち全株が買収されるのではないか」との憶測が飛んでいる。シャープの時価総額4100億円に対して鴻海は2兆6000億円だから、全株を買収することは不可能ではない。今年3月期に3800億円の最終赤字を出し、1兆1500億円の有利子負債を抱えるシャープにとって、選択の幅は限られている。 しか