村山富市元首相(91)と河野洋平元官房長官(78)が9日、東京都内の日本記者クラブで会見し、安倍晋三首相がこの夏に出す戦後70年の首相談話(安倍談話)で、歴代内閣の歴史認識を引き継ぐよう求めた。村山氏は過去の植民地支配と侵略を認め、反省とおわびを表明した村山談話を明確に継承すべきだとの考えを強調。河野氏は、談話の内容が以前から後退すべきでないとの考えを示した。 村山談話と慰安婦問題に関する河野談話の取りまとめを主導した両氏は、安倍談話でこれまでの歴史認識が否定されかねないとの危惧を抱き、日本記者クラブの求めに応じて会見した。 村山氏は会見で、首相が村山談話について「全体として引き継ぐ」と発言していることを念頭に、「継承するなら(安倍)談話の中に素直に明示して、国際的な疑問や誤解を解消することが大事だ」と訴えた。村山談話にある「侵略」などの文言を用いることに首相が消極的な姿勢をみせていること