三重県四日市市の北東部に位置する市立八郷(やさと)小学校。授業の終わるチャイムが鳴ると、複数の生徒が教室から飛び出し、バタバタと足音を鳴らしながら、一目散に廊下を走り始めた。遊び盛りであるはずの生徒たちの目的地はグラウンドでも体育館でもない。視線の先にあるのは図書館だ。 「はあ、はあ」と息を切らしながら真っ先に図書館に飛び込んだ生徒は早速、「何か面白いのないかなあ」と本を物色し始めた。その後も性別、学年を問わず次々に生徒がやってきては、自分が読みたい本、授業で使う本など、思い思いに本を探す。通常の休み時間はわずか10分。限られた時間で内容を吟味した後、本を借り、授業に遅れないように走って教室へ戻っていく。 八郷小では、図書館が休み時間のたびに生徒が駆け込む人気スポットになっているのだ。その証拠が本の貸出冊数。ここ数年は右肩上がりで、2008年度は1万7639冊と、4年前の1・6倍にまで