神奈川県警捜査2課は12日、日本年金機構の個人情報流出問題に便乗する手口で、同県内の女性がキャッシュカードをだまし取られ、預金約300万円を引き出される被害があったと発表した。警察庁によると、年金情報の流出に関連した不審な電話で実害が確認されたのは初めて。 同課によると、県内の70代の無職女性の自宅に今月1〜5日、年金機構の職員を名乗る男から電話があり、家族構成や預金額などを女性に尋ねた。 その後、消費者相談窓口の職員や弁護士を名乗る男からも電話が相次ぎ、「あなたの個人情報が流出している」「キャッシュカードのデータを消して元通りにするため預かる」などと要求。女性は8日、自宅に来た男に銀行のカード4枚を手渡したという。 9日になり、複数の口座から計約300万円が引き出されたことが分かった。 電話でカードの暗証番号を聞き出されたとみられるが、女性には認知症の症状がみられ、記憶が一部あい