山形県飯豊(いいで)町で2006年5月、カメラ店経営者一家3人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた無職伊藤嘉信被告(30)の控訴審判決が15日、仙台高裁であった。 飯渕進裁判長は、無期懲役を言い渡した1審・山形地裁判決を支持、死刑を求刑していた検察側、有期刑を求めた弁護側双方の控訴を棄却した。 1審判決は、伊藤被告が幼少期、被害者の1人から性的暴行を受け、殺意を抱くようになったと認定。「暴行が原因で、心的外傷後ストレス障害(PTSD)が強く疑われる症状を発していた」とする一方、「犯行当時は幻覚妄想状態になく、完全な責任能力があった」と判断していた。控訴審では、精神科医による2度の鑑定で、いずれも「犯行時、PTSDだった」とする結果が出た。