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骨粗鬆症に対する運動療法の目的は,骨量の増加,身体運動機能の改善,腰背部痛の軽減,さらにQOLの向上など多様であるため,これまで行われてきた運動療法も多彩である。筋力訓練だけでも,その種類はさまざまであり,背筋などの特定の筋力の強化を行うものから,負荷を増加させつつ全身の筋力を強化するものまで存在する。さらにストレッチングなどの柔軟運動,ウォーキングなどの有酸素運動,バランス機能改善のための運動などを加えたプロトコールも少なくない(表44)。これまでの検討では,それぞれの目的に対する少なくとも部分的な効果が認められていることから,これらの運動療法は骨粗鬆症に対して有効であると考えられる(レベルI)。
転倒の危険因子に関しては,これまでの国内外の数多くの探索的研究から50個以上の危険因子が抽出されている。それらのうち,数多くの研究で最大公約数的に得られている因子として, 転倒の既往,および 歩行能力(あるいは脚運動能力)の低下,あるいは 服用薬剤の有無,などをあげることができる。これらは転倒予防の対策に際し可変的な要因として考慮することができる。 国内外で報告されている転倒予防の介入方法には, 運動介入(筋力増強訓練,バランス訓練,歩行訓練,柔軟訓練など), 運動以外の介入(服薬指導,食事指導,環境準備,行動変容のための教育など), 多角的介入(運動・運動以外の介入を含む,身体・知的機能,環境,医学的評価に基づいた対策)などがある。 表27は,最近における高齢者の転倒予防のためのRCTに対するCochrane Reviewを含む主なメタアナリシスの結果である176),177),178),
A.総論 c.身体所見 基本的な考え方 骨粗鬆症の診断における身体所見の有用性は,骨密度検査を必要とする骨折リスクの高い患者を選別することと,骨折リスクの低い健常者の検査を回避することである。特異度が高い(90%以上)身体所見ほど有用性が高い。 低体重と低骨密度は関連する。しかしながら,体重のみで骨密度を予測することはできない。体重に年齢を組み合わせたアジア女性に対する骨粗鬆症自己評価指数(FOSTA)58)を活用すると,低骨密度との関連性をさらに高めることができる。 エビデンス EPIDOS studyに参加した既存骨折のない75歳以上の女性4,638名(平均年齢80歳,骨粗鬆症罹患率50%)を対象に,体重と骨密度の関連性を検討した報告では,低体重と低骨密度には高い関連性を認めている。体重が66kg以上の人と比較して,体重が59kg未満,52.5kg未満では,低骨密度(大腿骨頸部骨密度T
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