「人格障害」という用語は、「モラハラ」と並んで、離婚事件にしばしば登場する言葉である。多くは、「配偶者の言動が理解できない→異常だ→人格障害だ→婚姻関係がうまくいかないのは配偶者の人格障害が原因である。」まあ、だいたい、こういう論法である。 ただ、自分の経験から言わせると、当事者が相手を人格障害だとする多くの場合が、たいていは性格の不一致である。当事者からすると、相手は異常に見えるのだ。実際は、双方の考え方が違いすぎて、相手の言動が理解できず、人格異常だと思い込んでいるにすぎない。 しかし、離婚事件では、少なくない数で人格障害の相談者や相手方に遭遇することがあることも否定できない。 法律相談で、離婚や親子問題の相談を受け、その質問に回答する。まあ、普通の相談者なら、望んでいた回答なら喜ぶし、そうでないなら、がっかりする。 ただ、相談者の中には、「がっかり」することなく、回答した弁護士に「怒