記者会見で成長戦略の実現に強い決意を示した鳩山由紀夫・首相=30日午前11時38分、首相官邸(酒巻俊介撮影) 政府が新成長戦略の基本方針で「新需要創造」を打ち出したのは、景気低迷の原因が消費や投資などの需要不足にあるとみているからだ。ただ、消費活動を萎縮(いしゆく)させている将来への不安を取り除く処方箋(せん)は示されず、予算の裏付けを含め肝心の具体策は来年6月に先送りされた。 「環境」「アジア重視」といった新成長戦略の内容は、自公政権下で策定された成長戦略とほぼ重なる。違いは「需要が増えれば雇用が拡大し、雇用が拡大すれば需要が増える」という好循環による経済成長を目指す点だ。 構造改革を柱とする自公政権の成長戦略について、基本方針は「選ばれた企業だけに富が集中」「国民全体の所得も向上せず、実感のない成長と需要低迷」「格差拡大を招いた」などと総括。失敗の本質が「リーダーシップの欠如にあった」