鳩山政権は政策の「ブレ」に対して批判を浴びている。しかし経済政策を考えた場合、目先の利益につられてブレているのは我々自身であり、それを伝えるマスコミだと思うケースも目立つ。逆にそれにつられて、政治がブレている側面もあるのではないか。 国民の価値観は多様化している。野党となった自民党がその存在価値をはっきりと示すことに苦渋しているのは、国民が理解できるような対立軸を設定しにくいからかもしれない。 その一方で政権交代後に目立つ議論の多くは、本来であれば所与の前提条件であるにもかかわらず、「革命的政権」であればそれを覆せるかのような幻想が振りまかれ、まるで選択肢が存在するように争点を設定してしまうケースである。 2009年の終盤はこうした「本来は選択肢ではないもの」まで、国民に選択の余地があるかのように報じられた。その結果、経済政策をめぐる議論は混乱を極めた上に壁にぶち当たり、いたずらに閉塞感を