(1) 総選挙の結果、再び自民党・公明党の政権が復活することになった。民主党の歴史的敗北により、日本は「新復古主義」(戦争経験を根拠とする抑制の意志薄弱な好戦主義)路線が勢いづき、改憲志向が具体的に進められる局面に入った。その一点においても民主党の責任はあまりにも重い。「自公」は「維新」「みんな」を巻き込み、慎重に、しかしメディアを利用しつつ、改憲要件(憲法96条)の緩和へと進むだろう。 〈第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。〉 (2) 自民党は大敗した09年総選挙に比べても、比例区で219万票減の1662万票、小選挙区で166万票減の2564万票という得票だった。ところが獲得議席は、比