こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 難病患者や末期ガン患者は、明るく元気にすべてに感謝し前向きに生きて、人々に勇気と感動を与えなければいけないのですか。 私は、難病患者やガン患者が泣きわめくことを認めたい。おのれの不運を恨み、天にツバすることを認めたい。ヤケになって、呪詛の言葉を吐き散らすことを認めたい。感謝などしなくてけっこう。勇気も感動も求めません。 難病や不治の病になった人のほとんどは、ただ不運なだけです。その人にはなんの責任もありません。ヤケを起こして健康な人に恨みごとをぶつけるくらいの権利はあるでしょ。そういう人間の弱さを認めることこそを「寛容」というんじゃないですか。 病気になった人に対して、自己管理が甘いからだ、などと科学的根拠のない精神論的因果をでっち上げて責める人を、私は軽蔑します。 一方で、不運な人が聖人のように美しく生きることを期待して、勇気と感動をもらおうとす