コンピューティング環境が、従来の CPU だけで処理される時代から変化しようとしています。電力効率の問題を内在しメモリ帯域幅の制約から「CPU 自体の性能向上」が期待できない中で、GPU や DSP と言った、今まで特殊用途のプロセッサを利用し、汎用的な処理を行うソフトウェア環境が整備されつつあります。ここでは、こうした異種プロセッサを活用する「ハイブリッド・コンピューティング」のソフトウェア環境の一つである、OpenACC (Open Accelerator) の使用法に関して纏めます。OpenACCは、2008 年から PGI が取り組んだ PGI Accelerator Programming Model の考え方を踏襲し、2011 年に新しく標準規格化されたものです。OpenMP のようなディレクティブ・ベース(ソース上に指示行を挿入する形態)のプログラミング手法を採用し、GPU