家計の中でいちばん大きな割合を占める「住居費」。毎月カツカツの予算でやりくりしている家庭にとって、食費や電気代をちまちま削るより、家賃をガッツリ削るほうが節約効果絶大なのは言うまでもない。その極意を、新刊『家賃を2割下げる方法』(三五館)を上梓したばかりのジャーナリスト・日向咲嗣氏に聞いた。 「家賃は契約更新ごとに上がるのが普通、よくて据え置き……という過去のイメージが、いまだに根強く残っていることに驚かされます。俯瞰して見れば、家賃の相場はリーマンショック以降、4年半で24%も下落している(東京23区内マンション)。なのに、自分の家の家賃が下がらないことには、皆さん、なんの疑問も抱かないんですよね」 ――いったん住む家を決めてしまったら、それ以降は周りの家賃の相場なんてチェックしませんからね……。家賃の相場が下がっているという実感自体、持っている人が少ないんだと思います。 「借り手のそん
『未完の明治維新』という本を読んだ。 未完の明治維新 (ちくま新書)posted with AZlink at 2013.7.23坂野 潤治 筑摩書房 売り上げランキング: 168473 Amazon.co.jp で詳細を見る 本書は、元治元年(1864)から明治十三年(1880)に至る16年間の幕末・明治史を分析したものである。読み終えてみて、これだけのことがわずか16年の間に生じたのだということに改めて驚かされる。 元治元年というのは、西郷隆盛と勝海舟の初めての会談があった年である。第一章「明治維新の基本構想」の冒頭は、この会談の場面から始まるが、このひと月前にイギリス、フランス、アメリカ、オランダの連合艦隊による下関砲撃事件が起きている。八重の桜を見ていると倒幕か佐幕かというドメスティックな対立が前面に出ているが、背景には国家の危機、それも差し迫った「今そこにある危機」にどのように対
太田さんの著作『森林飽和』を読ませていただきました。「飽和」というほど、日本には森林があふれているのでしょうか。 太田:はい。幹の体積の総和を森林の蓄積といいますが、日本は過去50年間ぐらい増え続け、3倍ぐらいになっています。人工林は4~5倍に増えていて、自然林もどんどん成長しています。『森林・林業白書』に毎年、グラフとともに出ているのに、誰も触れてこなかった。不思議です。 経済成長で森林以外の土地利用はどんどん変化しています。都市に住んでいると、宅地や工場が増え、緑がどんどん減っている。一方、山に行っても、木は徐々に大きくなっていくから、あまり増えているとは思わない。それで、森林は減っている、だから植えなければいけないという先入観が出来てしまっているのでしょう。 しかし、実は山の斜面で木はどんどん増えている。日本の森林というのは非常に豊かです。それで「森林飽和」というタイトルをつけて、「
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