少し前に、生活保護(生保、せいほ)の受給者がパチンコに行くのが是か非か、って議論がありました。他人の血税をもらって遊ぶとは許せない、というのもわかりますが、ぼくら医者からすれば、毎月受け取る保護費の中でやりくりするのならたいした話ではありません。彼らが保護費とは別枠で使っている医療費(医療扶助)の方がケタ違いに大きいからです。 2014年度の生活保護費は3兆8431億円でその半分が医療扶助です。生保受給者158万世帯のうち138万世帯、87%が医療扶助を受けています。彼らは医療費の自己負担ゼロですし、受けられる医療にも制約はありません。高額な医療も懐が痛まずに受けられます。 ここに悪徳病院がつけ入るスキが生まれます。かつて奈良県に山本病院(廃院)というのがあって、生保の患者に不要な手術をして死なせてしまったり、不正請求の限りを尽くして2009年に警察沙汰になりました。亡くなった患者さんには
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