外注改革の結果、ITサービスの請負の適正化は確実に進んだ。しかし業界の懸念は消えていない。適正な請負の範囲を巡って、現場では混乱が起こっている。 最近、業界の懸念材料が一つ浮上した。昨年末に、東京労働局がWebなどで公開していた、ITサービス業向けの請負と派遣を区分する点検表が削除されたのである。「具体的な内容に踏み込んだ唯一のチェックリストが点検表。現場での判断材料に使う上で、非常に重宝していた」(JISA取引部会長を務めるNSSOLの森中部長)だけに業界の不安は大きい。 厚労省の鶴谷課長補佐は「外形的な基準ばかり着目され、『作業場所を区切れば問題ない』といった、さまざまな誤解が点検表には生じていた。そこで、あらゆる業種向けの点検表をいったん削除することにした」と、事情を説明する。 現在のところ、厚労省は新たな点検表を作成する予定はない。「適正な請負かどうかは、指揮命令の有無をベースに総
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