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ブックマーク / webronza.asahi.com (56)

  • 福島の甲状腺検査は即刻中止すべきだ(上) - 菊池誠|論座アーカイブ

    東京電力福島第一原発で建屋が爆発した2011年3月12日、福島県川俣町の避難所では40歳未満の避難者全員が甲状腺被曝を防ぐためにヨウ化カリウムを服用した 甲状腺検査は医学研究倫理に反している 稿では福島で現在行われている甲状腺検査について考える。最初に結論を書いてしまうと、筆者はここで、甲状腺検査が医学研究倫理に反しており、受診者の人権を侵害しているので即刻中止するべきと提言する。 甲状腺に対する放射線影響の有無を知りたいという希望が医学の世界やあるいは広く一般にあるのはわかる。しかし、甲状腺がんのように進行の遅いがんを無症状のうちにスクリーニングで発見してしまうことには利益がなく害だけがあるので、その希望は捨てなくてはならない。科学よりも受診者個人の利益が優先するというのが倫理だからである。 放射線影響は九分九厘ないと考えられるが、もちろん絶対にゼロだとは言い切れない。だからといって、

    福島の甲状腺検査は即刻中止すべきだ(上) - 菊池誠|論座アーカイブ
  • 成層圏気球 どこまでコントロールできるのか? - 山内正敏|論座アーカイブ

    成層圏気球 どこまでコントロールできるのか? スパイ目的かどうかの議論の前に、基知識を知って欲しい 山内正敏 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員 米国の上空を横断した中国の気球を巡って、米中の対応が加熱し、ブリンケン米国務長官の訪中が直前になって延期される事態となった。どんな理由であれ、領空に気球が入る可能性があるなら、事前の了承を取るのが礼儀だし、少なくとも前もって通告すべきだろう。だが、大西洋に抜けた直後の撃墜など、10年前では有り得なかった米国の反応も気になる。 気球が中国の主張するように気象観測目的だったのか、それとも米国の主張するように軍事目的(なかでもスパイ目的)だったかどうかは現時点(稿執筆の2023年2月11日)では分からない。しかし、関連報道を見ると軍事・緊張視点の論評ばかりで、空気の薄い成層圏仕様の特別な気球「成層圏気球」に関する基情報が完

    成層圏気球 どこまでコントロールできるのか? - 山内正敏|論座アーカイブ
  • ネトウヨを主人公に据えた“ヘイト本”は、なぜ自主回収されたのか - 清義明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

    作家樋口毅宏氏の小説『中野正彦の昭和九十二年』(イースト・プレス社)が、発売前日になって出版社によって自主回収された。異例の事態である。 発売前日の回収ということは、すでに書店には配されているタイミングだ。販売中止の連絡がすぐには反映されなかったのだろう、アマゾンや一部の出版社ではプレスリリースの後でもしばらくは購入することができた。(現在では売り切れ扱いである) この小説を読むことができた人は他にもいる。もともとは『メルマ旬報』というウェブマガジン(2022年11月に閉鎖)で連載されていたからである。まさかその連載当時の読者は、このような事態になるとは全く想像していなかったのではないか。 この小説が回収されたのは、版元の「刊行にあたっての社内承認プロセスに不備」と短く説明されている。だが実際のところはどうなのだろうか。この出版中止/自主回収に至る、なんともいえない複雑で皮肉な事情をまと

    ネトウヨを主人公に据えた“ヘイト本”は、なぜ自主回収されたのか - 清義明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
  • 枝野幸男氏「消費減税訴えは間違い」発言は、野党全体に立ち位置と戦略の再考を突きつけた - 田中信一郎|論座アーカイブ

    枝野幸男氏「消費減税訴えは間違い」発言は、野党全体に立ち位置と戦略の再考を突きつけた その意味を各党が受け止められるかどうかで、今後の日が変わる 田中信一郎 千葉商科大学基盤教育機構准教授 つまみい報道で真意が歪められた発言内容 立憲民主党の枝野幸男衆議院議員が、自身が代表だった際の衆院選での消費減税の公約について間違いだったとの反省を表明し、話題になっている。例えば、朝日新聞は〈消費減税の訴え「間違いだった」立憲・枝野氏、公約見直しに言及〉との記事で「敗軍の将として、あれ(消費減税を訴えたこと)が敗因の大きな一つだ」との枝野議員の発言を紹介している。 政治風刺を行っている芸人のせやろがいおじさんは、枝野議員の発言を受けて、立憲民主党が公約に逆行して「消費増税しようとしてる…?立憲民主党に一言」との動画を公表している。また、立憲民主党自民党との連立を意図しているのではないかとの憶測を

    枝野幸男氏「消費減税訴えは間違い」発言は、野党全体に立ち位置と戦略の再考を突きつけた - 田中信一郎|論座アーカイブ
  • 玉川徹バッシングの真の危機とは何か──政治問題化した背景 - 柴山哲也|論座アーカイブ

    テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」の玉川徹コメンテーターが、安倍元首相の国葬で菅前首相が述べた弔辞には「(演出に)電通が入っていた」と発言した「事件」の波紋が広がっている。 9月28日の発言翌日、玉川氏が番組で事実誤認と謝罪した後もネットやテレビ自民党政治家らが玉川氏の番組降板を要求するバッシングが続いた。 玉川氏は10日間の出勤停止処分を受けたあと、10月19日に同番組に出演し、電通と菅前首相に対して改めて謝罪した。そして、事実確認の取材の基にもう一度立ち返る、自分に慢心や驕りがあった等と反省を語り、深々と頭を下げた。 電通の関与があったとする玉川発言に事実誤認があったとしても、いやしくもジャーナリズムの現場に身を置くベテランが全く根も葉もないことを口走るものだろうか。玉川氏の発言が問題になったとき、私はまずそれを考えた。事実確認を怠ったのはプロとして弁解の余地はないが、まだ語

    玉川徹バッシングの真の危機とは何か──政治問題化した背景 - 柴山哲也|論座アーカイブ
    imakita_corp
    imakita_corp 2022/10/26
    根も葉もない事を言わないってなら煙が立っているという火元をアレコレすべきだしこの件がアレなのは一般的に懲戒の中でも重い出勤停止なのにすぐに現場復帰と軽い扱いになってるんじゃないかってトコじゃないのか?
  • 非暴力抵抗こそが侵略から国民を守る~非武装の精神で戦争の根を断て 想田和弘と語る(前編) - 石川智也|論座アーカイブ

    非暴力抵抗こそが侵略から国民を守る~非武装の精神で戦争の根を断て 想田和弘と語る(前編) ウクライナへの自己同一と「敵/味方」議論は危うい 石川智也 朝日新聞記者 今年も8月がやってきた。 戦争や平和にまつわる言論や報道が集中する季節だが、戦後77年目の今夏の様相がここ数年と異なるのは、言うまでもなく、ロシアによるウクライナ侵攻が起きたことによる。 職場やお茶の間、友人たちとの会話にも戦況や兵器の話題が飛び交い、政治家は勇ましい口調で防衛力強化や敵基地攻撃能力、はたまた核共有に前のめりの発言を繰り返す。 軍事や安全保障の議論が「日常」化する異様な状況下で、他国から侵略された際に私たちはどう向き合うべきか、という根源的な問いもあらためて持ち上がった。 これに対して、武力による徹底抗戦ではなく、占領を座視して受け入れるのでもなく、非暴力・不服従による抵抗こそが最も有効なのではないか、そう問題提

    非暴力抵抗こそが侵略から国民を守る~非武装の精神で戦争の根を断て 想田和弘と語る(前編) - 石川智也|論座アーカイブ
  • 護憲派は国民を信じていない - 石川智也|論座アーカイブ

    立憲主義を蹂躙する「護憲派」 ――憲法の話に戻りましょう。井上さんはかねて9条問題をもとに護憲派と改憲派の双方の欺瞞を指摘してきました。近著『立憲主義という企て』でも9条問題に多くの記述が割かれています。「立憲主義」とは安倍政権を反面教師に「憲法は権力を縛るもの」という説明が一般的にも広がりましたが、いま立憲主義をあらためて世に問うた狙いは何でしょう。 日の市民や政治家だけでなく、知識人の間でも、立憲主義の真っ当な理解は浸透していません。 立憲主義の基礎には「法の支配」の理念があります。自由な論争を認めた民主社会では、何が「正しい法」なのかをめぐって熾烈な争いがある。自分が不当と考える政治的決定でも、新たな競争ラウンドで覆せるまでは、自分たちの社会の公共的決定として尊重するという態度をとらなければならない。反対者をも拘束するその規範の基礎となるのが、先ほど(参照『ポピュリズムやパリテに抱

    護憲派は国民を信じていない - 石川智也|論座アーカイブ
    imakita_corp
    imakita_corp 2022/07/11
    井上達夫インタビュー
  • 侮辱罪厳罰化法案がもたらす民主主義の危機と対案としての野党の加害目的誹謗等罪法案 - 米山隆一|論座アーカイブ

    侮辱罪厳罰化法案がもたらす民主主義の危機と対案としての野党の加害目的誹謗等罪法案 ネットの誹謗中傷の抑止効果は低いうえ言論の自由と民主主義を損ねる政府案の欠陥 米山隆一 衆議院議員・弁護士・医学博士 SNS・インターネットの急速な普及に伴い、これにおける誹謗中傷が大きな社会問題となっています。この問題は2020年5月23日、プロレスラーの木村花さんが、ネット上での自身への誹謗中傷を苦にして命を絶ったことで、大きくクローズアップされました。 SNS・ネット上の誹謗中傷対策案を与野党が提出 このSNS・インターネット上の誹謗中傷対策として、政府・自民党は、従来は「拘留または科料」とされていた侮辱罪の法定刑を、「1年以下の懲役もしくは禁固もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」と厳罰化する刑法改正案を今国会に提出し、成立を狙っています。 しかし、この法案は、言論の自由を強く委縮させ、日

    侮辱罪厳罰化法案がもたらす民主主義の危機と対案としての野党の加害目的誹謗等罪法案 - 米山隆一|論座アーカイブ
  • 「ストリートピアノ」を無条件に設置して良いのだろうか? - 杉田聡|論座アーカイブ

    「ストリートピアノ」を無条件に設置して良いのだろうか? 公共的な閉鎖空間での演奏は自粛すべきでは 杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史) 何年前のことだろう。札幌のある美術館で「願寺展」が開かれていた。札幌に出張したついでに見学に行ったが、美術館の入り口を入った時にいやな感じを覚えた。ロビーに何十脚もの椅子が並べられていたからである。しかも演奏者側にも数十脚。 場違いなロビーコンサート 国公立美術館・博物館の法人化が断行された頃からか、「ロビーコンサート」で見学者を増やそうとする動きが見られるようになった。同美術館もその流れに乗ったのであろう。 けれどもこの時の企画はひどいものだった。見学を始めてしばらくすると、館内に突如ブラスバンドの大音響がひびき始めた。しかもそれは、景気づけによく使われるオッフェンバッハの「天国と地獄」だった。 私は思わず耳を疑った。大音響それ自体が不快だった

    「ストリートピアノ」を無条件に設置して良いのだろうか? - 杉田聡|論座アーカイブ
    imakita_corp
    imakita_corp 2022/02/02
    若者のウエーイも含め実際にいる人が発する音には街はそういうもんだと気にならないが録音されたものが延々と流されるのは内容、音量に関わらずイラッ。Sピアノは俺ももしもピアノが弾けたなら…とイヤラシイ想像w
  • 「野党共闘は失敗」に感じる違和感~立憲民主党が勝てなかった真の理由とは - 米山隆一|論座アーカイブ

    もちろん、小選挙区での獲得議席数が増えたのは、国民民主党、社民党に所属した多くの議員が立憲民主党に合流した影響もあると思われるので、選挙直前と選挙後で立民・社民・無所属会派の議席数がどう変わったかをみてみましょう。結果は表3のようになります。 これを見ると、確かに議席数は113から97に減っていますが、勝利した小選挙区は49から59に増えており、議席数の減少は、比例の議席が64から38に激減したためだと言えます。しかし、前述のとおり立憲民主党に限って言えば、比例の議席数は前回の衆院選と比べ微増しており、得票率も変わっていません。結局これは、比例で、他党からの合流で増加した議席数を維持するだけの議席を獲得できなかったことによるものと思われます。 つまり、今回の衆院選で立憲民主党は、「国民民主党、社民党からの合流で候補者が増えたことと、野党共闘の効果がプラスして小選挙区では獲得議席を増やしたが

    「野党共闘は失敗」に感じる違和感~立憲民主党が勝てなかった真の理由とは - 米山隆一|論座アーカイブ
    imakita_corp
    imakita_corp 2021/11/30
    そもそもの所で毛色の違う政党の共闘は政権奪取、或いは奪取できずとも与党が配慮せざるを得ない影響力を獲得できる可能性のある時に打ってこそ意味あるカンフル剤なのに早くから打つと麻薬中毒かと勘ぐられるだけ
  • 野党はSNSの「成功体験」を捨て去りましょう - 木下ちがや|論座アーカイブ

    野党はSNSの「成功体験」を捨て去りましょう 必要なのは、ネットの泥沼から抜け出して人々の生の声を聞くこと 木下ちがや 政治学者 「野党はSNSの成功体験を捨て去りましょう」これがこの論攷の提起であり、結論である。 とはいえもちろん、野党にSNS自体を捨てろと言っているわけではない。いまやSNSは与野党問わず政治宣伝のための不可欠なツールである。じっさい、野党陣営のSNSには筆者が「野党系政治クラスタ」と名付ける緩やかな集団が存在しており、かれらが展開する冷静な政治解説やロジック、論戦は、野党陣営の情報発信の要になっている。とりわけ与党に比べて組織力、宣伝力、資金力に劣る野党にとって、SNSの重要性は今後も増していくわけだから、その重要性自体を否定したいわけではない。 ここで問題にしたいのは、野党が一過性の「成功体験」に捕らわれることで、世論あるいは来の支持者の要求や意見を錯誤してしまう

    野党はSNSの「成功体験」を捨て去りましょう - 木下ちがや|論座アーカイブ
  • 立憲の代表選候補と議員諸氏は4年前の「希望の党」なだれ込みを総括せよ - 今井 一|論座アーカイブ

    立憲の代表選候補と議員諸氏は4年前の「希望の党」なだれ込みを総括せよ 目先の損得で”魂”を売った過去を国民は忘れていない 今井 一 ジャーナリスト・[国民投票/住民投票]情報室事務局長 衆議院議員選挙での敗北を受けて立憲民主党の代表を辞任した枝野幸男。その後任を決める代表選が11月19日に告示された(11月30日投開票)。この代表選については、論考の後半で触れるとして、まずは4年前に前原誠司・民進党代表が提唱して枝野を含むほぼ全議員が賛同・了解した民進党議員の「希望の党へのなだれ込み」問題についてとりあげたい。 今更と言うなかれ。あの一件での彼らの行動は、政治家としての良心、能力というものをはかる格好の材料だし、今につながる不人気の「因子」がそこに潜んでいると私は考える。旧民主党の多くの議員、政治家が陥った「基理念は二の次」ともいえる右往左往はあそこからひどくなり、多くの支持者に不信感を

    立憲の代表選候補と議員諸氏は4年前の「希望の党」なだれ込みを総括せよ - 今井 一|論座アーカイブ
  • 2019年夏から武漢でPCR機器の調達が急増~新データが示唆することは - 井形彬|論座アーカイブ

    2019年夏から武漢でPCR機器の調達が急増~新データが示唆することは 「AUKUS」調査チームによる「中国武漢市PCR調達報告書」の詳細解説 井形彬 多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授・事務局長 「我々は、中国がWHOに対してコロナウイルスについて報告した時期よりも相当前からこのパンデミックが始まっていたことを高確度(high confidence)で結論付ける」 これは、豪州と米国で活動する民間サイバーセキュリティ会社である「Internet 2.0」が日(10月5日)、公式発表した「中国武漢市PCR調達報告書」の中で述べられたものだ。 10月5日午前4時に世界一斉公開 この結論は、中国湖北省にある武漢市周辺の諸施設において、2019年5月からPCR機器の政府調達が急増していたことを示すデータに基づいている。Internet 2.0は「OSINT」(オシント:誰でもアクセス可能な公

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  • 「ひげそりの貧困」は誰のために言っているのか - 赤木智弘|論座アーカイブ

    「ひげそりの貧困」は誰のために言っているのか 男性の貧困問題は女性や老人や子供の貧困問題を貶めるための材料ではない 赤木智弘 フリーライター 最近、その問題が認知され始めた「生理の貧困」問題。必須であるはずの生理用品が貧困で買えない女性がいることから、役所や学校の保健室や女子トイレなどで生理用品の無料配布などの動きがある。政府の男女共同参画会議でもこの問題が議題に上がり、様々な支援の形が話し合われている。 そんな中、日維新の会所属の梅村みずほ参議院議員が6月2日にこのようなツイートをしていたのが、7月になってTwitter上で徐々に話題になっている。 梅村議員曰く「『生理の貧困』を入れるなら『ひげそりの貧困』も入れませんか。つい女性に支援を!の声が大きくなりがちだが男性も困ってる人はいる。貧困世帯の男子のことも考えてあげたい。」というのだ。 確かに貧困は女性だけの問題ではないが、それにし

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  • 全ての報道機関が問われているもの――「記者逮捕」を考える〈下〉 - 高田昌幸|論座アーカイブ

    全ての報道機関が問われているもの――「記者逮捕」を考える〈下〉 ジャーナリズムの務を貫き、現場を守り続けることを職を賭してでも示せ 高田昌幸 東京都市大学メディア情報学部教授、ジャーナリスト 北海道新聞旭川報道部の記者が取材中に逮捕された。この事件は、取材と報道の在り方全体にも大きな問題を投げかけている。3回にわたった連載の最終回は、個別の事件を離れ、報道機関全体が考えるべき諸点を整理した。 連載の〈上〉はこちら、〈中〉はこちら。 取材倫理基準を示したガイドラインを 国立大学法人・旭川医科大学を舞台とした今回の事件後、ネットでは「公的な場所であっても取材許可を得るのは当然だ」という意見が散見された。しかし、学校や官庁、市民会館といった公共施設、さらには広場や道路といった公共空間でも取材に原則として「許可」が必要になれば、「取材の自由」の範囲は一気に狭まる。 許可には当然、許可する側が存在

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  • 北海道新聞が速やかに果たすべき説明責任とは――「記者逮捕」を考える〈上〉 - 高田昌幸|論座アーカイブ

    北海道新聞が速やかに果たすべき説明責任とは――「記者逮捕」を考える〈上〉 メディア界への影響は甚大 新人記者はなぜ現場に向かわされたのか 高田昌幸 東京都市大学メディア情報学部教授、ジャーナリスト 北海道新聞社旭川支社報道部の記者(22)が、旭川医科大学の学長選考会議を取材中に無断で学内の建物に入ったとして、建造物侵入容疑の現行犯で逮捕される事件があった。入社間もない試用期間中の記者が、指示に従って建物内に入った結果、逮捕に至ったとみられている。取材活動によって報道機関の記者が逮捕された例は、近年なかった。この事件をいったい、どう捉えたらいいのか。取材・報道の自由、犯罪報道における実名の是非、メディア自身による説明責任、北海道新聞社は記者を守るのか……。観点はいくつもある。そうしたポイントを3回にわたって整理し、考えたい。 連載の〈中〉はこちら、〈下〉はこちら。 記者の逮捕 現場で何が起き

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  • 日本の難民認定はなぜ厳しいのか?入管法改正案見送りでも残る根源的な課題 - 石川えり|論座アーカイブ

    の難民認定はなぜ厳しいのか?入管法改正案見送りでも残る根源的な課題 背景にある、不当に厳しい認定基準、過度の立証責任、手続き上の課題の実態 石川えり 認定NPO法人難民支援協会代表理事 今年4月から5月にかけて国会で審議されていた出入国管理及び難民認定法(入管法)改正案は、今国会での裁決が見送られ、廃案の見通しとなった。もし成立していれば、難民申請者を迫害の危険のある国へ送り返すことにつながりかねない内容だったため取り下げを歓迎しているが、そもそもの課題は残されている。 それは、日では難民認定が非常に少なく、難民として保護されるべき人が保護されていないということだ。たとえばミャンマーでは今般のクーデター前から迫害が存在し、各国では難民認定がされてきたが、日では近年の難民認定はほぼ皆無だったという状況がある。 日の難民認定が少ないことの背景には、不当に厳しい認定基準や手続き上の問題

    日本の難民認定はなぜ厳しいのか?入管法改正案見送りでも残る根源的な課題 - 石川えり|論座アーカイブ
    imakita_corp
    imakita_corp 2021/06/15
    >>①厳しい難民の定義と審査、② 過度の立証責任、③手続き上の課題
  • 慰安婦運動の「聖域」崩れ、歴史を理性的に見る時 - 箱田哲也|論座アーカイブ

    慰安婦運動の「聖域」崩れ、歴史を理性的に見る時 東亜日報元編集局長、沈揆先さんに聞く 箱田哲也 朝日新聞論説委員 韓国の有力紙、東亜日報の元編集局長、沈揆先(シム・ギュソン)さんが、『慰安婦運動、聖域から広場へ』を2月に韓国で緊急出版した。慰安婦問題は深刻な女性の人権侵害問題であり、今現在も日韓政府間の懸案となっている。 一方、この問題に長年携わってきた支援団体の存在は、その政治性や影響力が、また別の問題としてささやかれてきた。支援運動を引っ張ってきた象徴的な人物である尹美香(ユン・ミヒャン)氏(現・国会議員)が、韓国検察当局により、業務上横領罪などで在宅起訴されたことを受け、日通の言論人である沈さんが鋭く切り込んだ。日韓双方の問題点を、沈さんに聞いた。 元慰安婦が暴いた支援団体リーダーの不正 ――沈さんは1990年代後半から、慶応大で研修されたり、東京特派員を務められたりして、日韓関係

    慰安婦運動の「聖域」崩れ、歴史を理性的に見る時 - 箱田哲也|論座アーカイブ
  • 「民主主義の土台」という科学の役割 - 野崎光昭|論座アーカイブ

    「民主主義の土台」という科学の役割 その重要性への認識が日でもっと広まってほしい 野崎光昭 高エネルギー加速器研究機構(KEK)名誉教授(素粒子物理学) 民主主義国家を標榜する国に生まれ育ち、半世紀近く物理学の研究に携わってきた筆者だが、恥ずかしながら齢60を過ぎるまで科学と民主主義を関連づけて考えることはなかった。しかし、コロナ禍をはじめいくつかのきっかけで科学と社会の関係性について深く考えずにはいられなくなった。そして気づいたのは、「科学的な精神・手法は社会の宝」という認識が日社会では薄いことだ。民主主義と科学は、いずれも社会の宝だと思う。この宝を社会のみんなで守り、育てようという気持ちが日社会に広まってほしいと切に思う。 6年前に米国で聴いたホルドレン博士の講演 科学と民主主義を考え始めた原点は、6年前に聞いたジョン・ホルドレン博士(Dr. John Holdren、当時オバマ

    「民主主義の土台」という科学の役割 - 野崎光昭|論座アーカイブ
    imakita_corp
    imakita_corp 2021/04/15
    岩波のムック本みたいな見出しだな
  • 呉座勇一氏のNHK大河ドラマ降板を憂う - 與那覇潤|論座アーカイブ

    いま話題の芥川賞受賞作に倣えば、「学者、燃ゆ」だろうか。正直、驚くとともに、強い懸念を感じている。 『応仁の乱』などのベストセラーで知られる呉座勇一氏(日中世史)が、SNSでの「炎上」がきっかけで、NHK大河ドラマの時代考証を外れることになった。発端は、フェミニストとしての批評活動でも知られる北村紗衣氏(英文学)との論争である。 炎上ならなにをしてもよいわけではない 当初は、日中世史の大家である網野善彦(故人)の文章を「正しく読めるのはどちらか」という論点での、よくある学者どうしの諍いだった。しかし呉座氏が従来から、彼のTwitterアカウントのフォロワー(=おおむねファン)にしか見えない場所で、何度も北村氏を揶揄していた事実が明らかになり、「女性蔑視だ」との非難が殺到することになった。 呉座氏はその後、北村氏に対して非を認め、謝罪している。私自身、呉座氏の行為は褒められたことではなく

    呉座勇一氏のNHK大河ドラマ降板を憂う - 與那覇潤|論座アーカイブ