【第5回】 2008年07月24日 ダビング10で市場縮小の恐れ コンテンツ産業の構造改革が急務 デジタル放送の複製についての新ルール「ダビング10」が7月4日から始まった。家電メーカーと著作権団体の主張が真っ向から対立するなか、著作権団体の譲歩によって、ようやく解決となった。だが、著作権団体が主張する「補償金問題」の議論は先送りされた。コンテンツ制作者の多くはすでに苦境に陥っている。補償金問題の行方次第では、コンテンツ産業はさらに衰退するだろう。(文/岸 博幸 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授) 家電メーカー、著作権団体、複数の関係省庁を巻き込んで議論が紛糾した「ダビング10」が、当初の予定から1ヵ月の延期のすえ、7月4日から始まった。 従来、ハードディスクレコーダーに録画したデジタル放送番組をDVDに複製できるのは1回のみだったが、今後は10回までの複製が可能となる(