物語を紡ぐ町、文善寺町が舞台となって、乙一さんが投稿者の作品をリメイクしてパッチワークのように仕上げた6つの連作短編。 活字中毒の潮音さんが変態すぎる。読書に集中すると我を忘れて読みふける。雪山で読書したら間違いなく凍死してしまいそうだけど本人は死んだことさえ気づかないのかも。 この作品を読んでいて作者がサービス精神旺盛に読者を楽しませようと焦らして逸らして、アッと驚かせようと予想の斜め向こう側へずらして、もて遊ばれているのが癪にさわってイラッてするんです。 それを心地よく感じるかってゆうとどうなんだろう。 子猫なら好奇心旺盛にじゃれついてきそうだけど、スレてくると構ってくるのが面倒に思えたり。 どうだ凄いだろって、ガキ大将が捕まえた蛇を得意げに見せられるような作品でした。 最後のホワイト・ステップが秀逸でした。